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2017年08月21日

第454回:“Proof without heat, warm without weight.” ―「防水なのに熱がこもらず、温かいのに重くない」(バーバリー)

こんにちは! ジム佐伯です。
英語の名言・格言やちょっといい言葉、日常会話でよく使う表現などをご紹介しています。



第454回の今日はこの言葉です。
“Proof without heat, warm without weight.”

「防水なのに熱がこもらず、温かいのに重くない」
という意味です。
これはイギリスのブランドであるバーバリー(Burberry)のコートの広告に使われた言葉です。イギリスを代表する高級ファッションブランドとして世界中で高い人気を誇っています。

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バーバリー・チェック
By Hazmat2 (Own work) [CC BY-SA 3.0], via Wikimedia Commons

1856年、イギリス・ハンプシャー州のベイジングストーク(Basingstoke)で21歳のトーマス・バーバリー(Thomas Burberry, 1835-1926)が洋服店を開きます。これがバーバリーの始まりとされています。バーバリーの店は品質へのこだわりや生地の革新が評価され、1870年には大規模店舗へ発展します。

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トーマス・バーバリー
By Unknown [Public domain], via Wikimedia Commons

1879年、バーバリーは耐久性や防水性に優れた「ギャバジン」(Gabardine)という新素材を開発します。農民が汚れや寒さを防ぐために服の上に羽織っていた上着に着想を得た発明なのだそうです。バーバリーは1888年にギャバジンの特許を取得し、1917年まで30年間の製造権を独占します。
1891年、バーバリーはロンドンのヘイマーケット30番地に「トーマス・バーバリー・アンド・サンズ」(Thomas Burberry & Sons)の本社兼店舗を開きます。

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ギャバジン
Copyrighted free use, Link

1895年、ボーア戦争(Boer War, 1880-81, 1899-1902)を戦うイギリス軍士官のためにバーバリーは「タイロッケンコート(Tielocken Coat)」を発売します。「タイロッケン」とは、ベルトで「結んでとめる」という意味です。トレンチコート(Trench coat)の原型となったコートです。
このタイロッケンコートの広告で使われたのが今日の言葉です。
“Proof without heat, warm without weight.”
「防水なのに熱がこもらず、温かいのに重くない」
バーバリー製のコートの特徴をとてもよく表した言葉だと思います。この言葉は今後もバーバリーのコートなどの広告で何度も使われるようになります。

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タイロッケンコートの広告(1916年)
By The Sphere (The Sphere Dec 9,1916) [Public domain], via Wikimedia Commons

1914年、第一次世界大戦(World War I)が勃発します。バーバリーは軍部の要請により塹壕での戦闘に適した「トレンチコート」を開発します。「トレンチ」(trench)とは塹壕のことで、優れた防水性と耐寒性を持つタイロッケンコートがベースになっています。肩のショルダーストラップには水筒や双眼鏡などがかけられるようになっています。腰にはD字型のリングがつけられており、剣や手榴弾などをぶら下げられます。このトレンチコートは英国陸海軍に正式採用されて大戦中に50万着が着用され、1918年の終戦後は市民に広まります。

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第一次世界大戦時のトレンチコート
By Hephaestos [Public domain], via Wikimedia Commons

バーバリーの商品は、極限を競う冒険家にも好まれます。
1911年に南極点到達を争ったノルウェーのロアール・アムンセン(Roald Amundsen)とイギリスのロバート・スコット(Robert Scott)は、1914年に南極横断をめざしたイギリスのアーネスト・シャクルトン(Ernest Shackleton)、1924年にエベレスト初登頂を目指したイギリスのジョージ・マロリー(George Mallory)など、多くの極地探検家たちがバーバリーの商品を愛用します。
また、飛行機レースで最速記録を競ったパイロットたちも飛行服としてバーバリーの商品を愛用します。
これらがバーバリー製品の優秀さと堅牢さを人々に強く印象づけます。

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バーバリーの飛行服の広告(1920年)
“Proof without heat, warm without weight.”がここにも見られる
By FLIGHT Magazine (FLIGHT Magazine in 1920.) [Public domain], via Wikimedia Commons

1924年、バーバリーはコートの裏地として使われていたデザインを「バーバリー・チェック」として売り出し、大ブームとなります。このデザインは1967年に初めて傘にも使われ、その後はバッグやマフラーにも使われておなじみのデザインとなります。
日本には1915年(大正4年)に早くも丸善がレインコートの輸入を開始します。また戦後は1965年(昭和40年)に三陽商会がコートの輸入販売を開始します。
今ではバーバリーは世界の50ヶ国以上の国で500店舗以上で商品を販売しています。



“Proof without heat, warm without weight.”
防水なのに熱がこもらず、温かいのに重くない。

コートの理想を追求したバーバリー。
この広告の宣伝文句はまさに理想的なコートの特徴を表しています。
単なる宣伝文句だけではなく、バーバリーのコートは戦場や極地探検でその性能を発揮して高く評価されました。
今でもバーバリーは世界中に高品質な衣料品を提供し続けています。

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By Dosdldyhai (Own work) [CC BY-SA 3.0], via Wikimedia Commons

それでは今日はこのへんで。
またお会いしましょう! ジム佐伯でした。


【動画】“The Tale of Thomas Burberry - Burberry Festive Film 2016 (トーマス・バーバリー物語 - 2016年)”, by Burberry, YouTube, 2016/11/01

【関連記事】第338回:“Adventure is just bad planning.” ―「冒険というのは準備が足りない時の言い訳にすぎない」 (ロアール・アムンセン), ジム佐伯のEnglish Maxims, 2016年07月12日
【関連記事】第340回:“Great God! this is an awful place.” ―「神よ!ここは恐ろしい所です」 (ロバート・スコット), ジム佐伯のEnglish Maxims, 2016年07月17日
【関連記事】第250回:“Because it's there.”―「そこに山があるから」(ジョージ・マロリー), ジム佐伯のEnglish Maxims, 2015年10月24日

【参考】Wikipedia(日本語版英語版
【参考】BURBERRY公式サイト

【動画】“The Tale of Thomas Burberry - Burberry Festive Film 2016 (トーマス・バーバリー物語 - 2016年)”, by Burberry, YouTube, 2016/11/01




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posted by ジム佐伯 at 07:00 | ロンドン | Comment(0) | TrackBack(0) | ファッション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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