英語の名言・格言やちょっといい言葉、日常会話でよく使う表現などをご紹介しています。
By marin, published on 14 November 2012. Image courtesy of FreeDigitalPhotos.net
第307回の今日はこの言葉です。
“No eye contact”「アイコンタクト禁止」
という意味です。コンタクトレンズとは関係ありませんよ。
「視線を合わすの禁止」
ということです。
これは、ロンドン地下鉄の車内に貼られたステッカーに書かれていた言葉です。
By gingerbeardman, Taken on January 17, 2004 [CC BY-NC-ND 2.0], via Flickr
しかも、
“No eye contactと書いてあります。
Penalty £200”
「アイコンタクト禁止
罰金200ポンド」
200ポンドと言えば今の為替レートで3万円以上になります。
ロンドン地下鉄では目を合わせただけでそんな高額の罰金をとられるのでしょうか。
礼儀にうるさいイギリス人は、地下鉄でも視線を合わせてはいけないのでしょうか。
By marin, published on 14 November 2012. Image courtesy of FreeDigitalPhotos.net
実はこれ、いたずらで勝手に貼られた偽物の注意書き(Fake sign)なのです。
前回ご紹介した列車のトイレの注意書きのジョークはヴァージン・トレインズ(Virgin Trains)が自らノリノリで作った本物ですが、これは乗客の誰かが勝手に貼ったものと思われます。
もちろんロンドン地下鉄の許可などとっていません。
他人と目を合わせるのを好まないイギリス人を皮肉って、誰かが作ったのでしょうね。
写真は2004年に撮影されたようです。
僕は当時イギリスにいたわけではないのでわかりませんが、たぶんイギリス人は怒ったりせずに、きっと笑いのネタとして楽しんだことでしょう。
By marin, published on 09 November 2012. Image courtesy of FreeDigitalPhotos.net
誰もいない廊下で見知らぬ他人とすれ違う場合、あなたはどうしますか?
日本ではふつうあまり目を合わさずに黙ってすれ違いますよね。それが礼儀とされています。
僕がアメリカで暮らした時は、目を合わさずに黙ってすれ違っては逆に失礼だと言われました。
しっかり目を合わせて、
“Hi.” 「やあ」
とか
“How are you doing?” 「調子どうですか?」
などと挨拶をして、笑顔を見せるべきなのです。
単にフレンドリーで能天気に明るい人たちという理由ではありません。
それによって自分があやしいものではないことを相手に印象づけて安心させるのです。
さすがに人通りの多い道ですれ違うときはいちいち挨拶しませんが、屋内やわりと狭い通りなどで1対1ですれ違う時、エレベーターで1対1になった時、バスや電車で隣に座る時など、このプロセスはわりと大事です。
By stockimages, published on 05 June 2015. Image courtesy of FreeDigitalPhotos.net
ところがイギリスではそうでもないのです。
もちろん挨拶をしたら返してくれます。
しかし基本は見知らぬ他人同士が目を合わさずにすれ違うのは失礼ではなく、むしろそれが普通です。
欧米人は皆アメリカ的なのかと思っていましたが、イギリスは日本と同じ島国だからなのか、ちょっと日本に近いようです。むしろ移民の国アメリカが特殊なのかもしれません。
By marin, published on 31 January 2013. Image courtesy of FreeDigitalPhotos.net
“No eye contact”
アイコンタクト禁止。
禁止というほどではありません。日本と同じ感覚でいたらいいと思います。
つい目が合ってしまった時は、軽い挨拶や笑顔を交わします。
日本でも軽く会釈したりしますよね。
あと、知っている相手だったらもちろん目を合わせて挨拶しましょう。
また、面と向かって会話している時にも目をそらさずに相手の目をしっかり見ましょう。
そこは洋の東西をとわず大事なマナーです。
By marin, published on 31 January 2013. Image courtesy of FreeDigitalPhotos.net
それでは今日はこのへんで。
またお会いしましょう! ジム佐伯でした。
【関連記事】第37回:“How are you doing?”―「調子はどうだい?」(日常会話), ジム佐伯のEnglish Maxims, 2013年06月11日
【関連記事】第296回:“Are you OK?” ―「調子どう?」(イギリス口語), ジム佐伯のEnglish Maxims, 2016年03月26日
【関連記事】第207回:“What floor?”―「何階ですか?」(エレベータで)(日常会話), ジム佐伯のEnglish Maxims, 2014年03月30日
【関連記事】第306回:“Please don't flush nappies down this toilet.” ―「トイレに紙おむつを流さないで下さい」(ヴァージン・トレインズ), ジム佐伯のEnglish Maxims, 2016年04月26日
【参考】Wikipedia(日本語版,英語版)
ツイート |