英語の名言・格言やちょっといい言葉、日常会話でよく使う表現などをご紹介しています。

By Trailer screenshot (Casablanca trailer) [Public domain], via Wikimedia Commons
第237回の今日はこの言葉です。
“Here's looking at you, kid.”ぱっと見ても意味が直観的にわからない、なかなか難しい言葉ですね。
いったいどういう意味なんでしょうか。
“Here's 〜”は先日もご紹介したように、乾杯をする使われる言葉です。
“Here's to our friendship!” 「私たちの友情に乾杯」
“Here's to you!” 「あなたに乾杯」
などと使います。
これは往年の名画『カサブランカ(Casablanca)』(1942年アメリカ)に登場する言葉です。
【関連記事】第233回:“Cheers!”―「乾杯」(日常会話), ジム佐伯のEnglish Maxims, 2015年09月09日
“Here's looking at you.”
も乾杯の時に使われる言葉で、元々は「(神様が)あなたを見ていますよ」という意味です。
ほかにも、
“Here's luck.” 「幸運を祈って乾杯」
“Here's hoping.” 「希望と共に乾杯」
などという言葉があります。

Image courtesy of marin, published on 27 March 2013 / FreeDigitalPhotos.net
また、文末の“kid”は「子供」という意味もありますが、若い女性などに親しみをこめて呼びかける際にも使われます。特に訳さなくてもよいかもしれません。
「君を見つめて乾杯」
といったところでしょうか。

Image courtesy of stockimages, published on 27 March 2013 / FreeDigitalPhotos.net
映画の舞台は第二次世界大戦時のフランス領モロッコの都市カサブランカ。ドイツ軍はパリを含むフランスの北部と中部を占領し、南フランスやモロッコはまだ占領されてはいないものの、ペタン元帥率いる親ドイツのヴィシー政権(Régime de Vichy / Vichy France)の管理下に置かれています。カサブランカの街は、戦火や迫害から逃れようと中立国のポルトガルを経由してアメリカへ亡命をはかろうとしている人たちで溢れかえっています。
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そんな中で、ハンフリー・ボガート(Humphrey Bogart, 1899-1957)演じる主人公のアメリカ人リック(Rick Blaine)は、カジノバーを経営しています。
時は1941年12月初旬。日本が真珠湾を攻撃して米英と戦端を開くぎりぎり直前のタイミングです。
アメリカはまだ参戦していませんので、ドイツ軍もリックを取り締まることはなく、リックの店に客として訪れたりしています。

By Trailer screenshot (Casablanca trailer) [Public domain], via Wikimedia Commons
ある日その店に、イングリッド・バーグマン(Ingrid Bergman、1915-1982)演じる金髪の美女イルザ(Ilsa Lund)が偶然おとずれます。実はイルザはリックとかつて愛し合った仲だったのです。ドイツ軍が侵攻する前の自由あふれるパリでの楽しい日々。その回想シーンで今日の言葉が出てきます。
“Here's looking at you, kid.”
「君の瞳に乾杯」
英語のセリフも粋ですが、この素晴らしい字幕翻訳によってこの言葉は永遠の名セリフとなりました。
「乾杯」とは関係ない誤訳だとか超訳だとかいう人もいますが、もともと乾杯の言葉であることは間違いありません。
何ともキザな言葉ですが、ハンフリー・ボガートが言うと格好よく決まります。

By Trailer screenshot (Casablanca trailer) [Public domain], via Wikimedia Commons
そして戦火は二人の幸せな日々を引き裂きます。ドイツ軍がパリの間近まで迫っていたのです。パリからマルセイユへ向かう最後の列車でリックとイルザはパリを脱出しようと約束します。しかしイルザは約束の時間に現れず、二人は離れ離れになってしまいます。
カサブランカに現れたイルザは、なんと夫を連れています。ポール・ヘンリード (Paul Henreid, 1905-1992)演じるチェコスロバキア人のドイツ抵抗運動の指導者ヴィクトル・ラズロ(Victor Laszlo)です。しかもイルザはパリでリックと過ごしていた時にも既にラズロと結婚していたというのです。

By Trailer screenshot (Casablanca trailer) [Public domain], via Wikimedia Commons
ラズロがアメリカへ脱出するには、リックが偶然手に入れた通行許可証が必要です。許可証を渡してほしいとリックに頼むイルザ。
イルザを今でも愛するリックは悩みます。
愛するイルザを助けてあげたい。しかし許可証を渡せばイルザは再び去ってしまいます。
リックにはイルザの本心がわかりません。あのパリでの愛に溢れた日々は何だったのでしょうか。

By Trailer screenshot (Casablanca trailer) [Public domain], via Wikimedia Commons
“Here's looking at you, kid.”
君の瞳に乾杯。
作品中にこの言葉は4回も出てきます。
翻訳したのは字幕翻訳家の高瀬鎮夫(Shizuo Takase, 1915-1982)氏です。
まさに不朽の名訳だと思います。
まあ、実際に使うにはなかなかハードルが高い言葉なんですけどね。
はたしてリックはイルザたちへ通行許可証を渡すのでしょうか。
イルザとラズロはドイツ軍や警察の追及の手をかわせるのでしょうか。
イルザの気持ちはラズロとリックのどちらにあるのでしょうか。
それは映画をご覧になって下さい。
【動画】“Casablanca (1942) Official 70th Anniversary Trailer - Humphrey Bogart Movie HD(『カサブランカ(1942年)』70周年記念公式予告編 - ハンフリー・ボガート主演映画 高画質版)”, by Movieclips Trailer Vault, YouTube, 2013/12/06
それでは今日はこのへんで。
またお会いしましょう! ジム佐伯でした。
【関連記事】第233回:“Cheers!”―「乾杯」(日常会話), ジム佐伯のEnglish Maxims, 2015年09月09日
【参考】Wikipedia(日本語版,英語版)
【参考】“L07-君の瞳に乾杯!/映画「カサブランカ」より”, by うみきりんさん, ちょっとひといき ためになる話
【参考】“【Kei式-歴史英会話】vol.578 「君の瞳に乾杯」は英語で「Here's looking at you, kid.」(カサブランカの重要なセリフ)”, 【Kei式】カドを立てない英会話術辞典, 2015年01月22日
【参考】“これだからイケメンってヤツは(カサブランカ レビュー) ※ややネタバレ”, by マルコさん, カフェオレ・ライター
【動画】“Casablanca (1942) Official 70th Anniversary Trailer - Humphrey Bogart Movie HD(『カサブランカ(1942年)』70周年記念公式予告編 - ハンフリー・ボガート主演映画 高画質版)”, by Movieclips Trailer Vault, YouTube, 2013/12/06
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