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2013年12月28日

第151回:“I hate space!”―「宇宙なんて大嫌い!」(ゼロ・グラビティ)

こんにちは! ジム佐伯です。
英語の名言・格言やちょっといい言葉、日常会話でよく使う表現などをご紹介しています。

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国際宇宙ステーション(ISS: International Space Station)
By NASA, 9 September 2009 [Public domain], via Wikimedia Commons

第151回の今日はこの言葉です。
“I hate space!”
「宇宙なんて大嫌い!」
という意味です。
冠詞のつかない“space”は「宇宙」をあらわします。
これは公開中の映画『ゼロ・グラビティ(原題:Gravity)』(2013年アメリカ)に出てきた台詞です。メキシコ出身のアルフォンソ・キュアロン(Alfonso Cuarón, 1961-)が監督した映画です。
いったいどんな場面で使われたのでしょうか。

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サンドラ・ブロック(Sandra Annette Bullock, 1964-)演じる女性宇宙飛行士ライアン・ストーン博士(Dr. Ryan Stone)は、医療技師としてスペースシャトルのミッションに参加します。同僚のベテラン宇宙飛行士、ジョージ・クルーニー(George Timothy Clooney, 1961-)演じるマット・コワルスキー(Matt Kowalski)は船外活動最長時間の世界記録にあと一歩と迫っています。
ハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space Telescope)の修理を行うため船外活動を行っていたライアンとマットと同僚のシャリフは、突然おそろしいトラブルに巻き込まれてしまいます。
はたしてライアンたちは無事地球に生還することができるのでしょうか。


【動画】“Gravity - Official Main Trailer [2K HD] (ゼロ・グラビティ - 公式メイン予告編 [2K HD])”, by Warner Bros. Pictures, YouTube, 2013/09/04

物語は徹底してライアンの一人称の視点から描かれます。出演者はサンドラ・ブロックとジョージ・クルーニーの2人だけ。あとはすべて声だけの出演です。
過酷な環境である宇宙空間ではちょっとしたことでも命取りになってしまいます。映画の冒頭でも、次のような字幕で宇宙の怖さが紹介されます。

“At 372 miles above the earth, there's nothing to carry sound.
 No air pressure.
 No oxygen.
 Life in space is impossible.”

「地上372マイル(=60万メートル)では、音を伝えるものは何もない。
 空気圧もなく、
 酸素もない。
 宇宙で生きることは不可能だ。」

ライアンたちには次から次へと災難が襲います。科学的には突っ込みどころが満載ですが、映像の迫力で細かいところは気にならなくなってしまいます。一度動き出したら止まらない、相対速度がかなり速い、酸素が続く残り時間がそのまま命の続く残り時間を意味するなどなど、「宇宙の恐怖」がこれでもかこれでもかと描かれます。
そんな中でライアンが思わず口にしたのがこの台詞です。
“I hate space!”
「宇宙なんて大嫌い!」
宇宙飛行士らしからぬこの言葉ですが、観客も「もうトラブルはやめてくれ」と叫びたくなる絶妙のタイミングでサンドラ・ブロックが口にします。「そうそう!」と感情移入マックスになる台詞です。

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【参考】“'Gravity' Is the Year's Most Anticipated Film for Good Reason(『ゼロ・グラビティ』が今年最も期待される映画であるのには正当な理由がある)”, By ROBERT KESSLER, CELEBUZZ!, 2013-10-04

宇宙は昔から映画の舞台として使われてきました。『スター・ウォーズ』などのスペース・ファンタジーだけでなく、リアリティのあるハードSFでも大いに冒険心や好奇心をかきたてられるからです。
古くは『2001年宇宙の旅(2001: A Space Odyssey)』(1968年イギリス・アメリカ)や『宇宙からの脱出(Marooned)』(1969年アメリカ)などで、宇宙の壮大さや恐ろしさが描かれました。


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史実をもとにした物語で素晴らしい作品となったのが、トム・ハンクス(Thomas Jeffrey Hanks, 1956-)が主演した『アポロ13(Apollo 13)』(1995年アメリカ)です。1970年のアポロ13号の発射や爆発事故をCGを駆使して描いた映像は真に迫っており、人間ドラマもよく描かれていて高い評価を得ました。


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“I hate space!”
宇宙なんて大嫌い!

宇宙の怖さを存分に味わえるこの映画。
同時に実感できるのは地球のかけがえのなさです。
しかもこの映画では、宇宙から眺めた地球の姿がとても美しく描かれており、本当に宇宙に行った気分を味わえます。
年末年始のお休みに、できればIMAXの3D上映でご覧になって下さい。素晴らしい映像を体験できることでしょう。3Dでなくとも、ぜひ映画館の大画面と大音響でご覧になることをお勧めします。

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国際宇宙ステーション(ISS)でくつろぐNASAの宇宙飛行士トレイシー・コールドウェル
By NASA / Tracy Caldwell Dyson, 11 September 2010 [Public domain], via Wikimedia Commons

それでは今日はこのへんで。
またお会いしましょう! ジム佐伯でした。

【関連記事】第92回:“There wasn't ever a dry eye.”―「いつも涙が出そうになった」(トレイシー・コールドウェル), ジム佐伯のEnglish Maxims, 2013年09月15日
【関連記事】第5回:“One small step for (a) man, one giant leap for mankind.”―「一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である」(アームストロング), ジム佐伯のEnglish Maxims, 2013年04月27日
【関連記事】第56回:“NASA encourages you to keep reaching for the stars!”―「NASAは君が星を目指し続けることを応援する!」(NASAよりデクスター少年へ), ジム佐伯のEnglish Maxims, 2013年07月14日
【関連記事】第6回:“Anything one man can imagine, other men can make real.”―「人が想像できることは、必ず人が実現できる。」(ジュール・ヴェルヌ), ジム佐伯のEnglish Maxims, 2013年04月28日

【参考】Wikipedia(日本語版英語版
【参考】“'Gravity' Is the Year's Most Anticipated Film for Good Reason(『ゼロ・グラビティ』が今年最も期待される映画であるのには正当な理由がある)”, By ROBERT KESSLER, CELEBUZZ!, 2013-10-04
【参考】“【衝撃事実】絶賛映画『ゼロ・グラビティ』スピンオフ作品で語られない事実を知る / 鑑賞者「涙が出てきた」”, By Reiko Misaki, Rocket News 24 (ロケットニュース24), 2013/12/19
【参考】“[【映画】]新しいホラー、新しいサスペンス、新しい映画:『ゼロ・グラビティ』”, by macgyer, Macgyer, the Adventurous guy, 冒険野郎マクガイヤー, 2013-12-22
【参考】“Gravity Fact Check: What the Season’s Big Movie Gets Wrong (『ゼロ・グラビティ』の事実検証:今シーズンのヒット映画が何を間違っているか)”, by Jeffrey Kluger, TIME, Science & Space, Oct. 01, 2013
【参考】“ゼロ・グラビティ/絶賛上映中、【ネタバレ】ヤボは承知で^^; ツッコミどころの3本立て!! ”, by 流痛K廊, FC2まとめ, 2014年01月07日(リンク切れ)

【動画】“Gravity - Official Main Trailer [2K HD] (ゼロ・グラビティ - 公式メイン予告編 [2K HD])”, by Warner Bros. Pictures, YouTube, 2013/09/04




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posted by ジム佐伯 at 07:00 | 宇宙 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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