英語の名言・格言やちょっといい言葉、日常会話でよく使う表現などをご紹介しています。

ワシントン・ダレス国際空港(Washington Dulles International Airport)(ヴァージニア州ダレス)
By Joe Ravi, 30 August 2011 [CC-BY-SA-3.0], via Wikimedia Commons
第148回の今日はこの言葉です。三連休なのでいつもより遅い時間の更新です。
“It's Christmas!”
「今日はクリスマスだ!」
これはレニー・ハーリン(Renny Harlin, 1959-)が監督したアクション映画『ダイ・ハード2(Die Hard 2)』(1990年アメリカ)に出てくる言葉です。
ジョン・マクティアナン(John Campbell McTiernan, Jr., 1951-)が監督したアクション映画の金字塔『ダイ・ハード(Die Hard)』(1988年アメリカ)の続編であるこの映画。僕にとっては1作目に負けず劣らず大好きな作品です。
「今日はクリスマスだ!」
アクション映画に似合わないようなこの言葉、いったい誰のセリフなのでしょうか。
ダイ・ハード2 [DVD]
舞台は前作『ダイ・ハード』に描かれたロサンゼルスのナカトミ・ビルでのテロリスト占拠事件からちょうど一年後のクリスマス・イヴ。ブルース・ウィリス(Bruce Willis, 1955-)演じるニューヨーク市警の刑事ジョン・マクレーン(John McClane)は妻のホリーを迎えにワシントン・ダレス国際空港(Washington Dulles International Airport)にやってきます。妻の親がワシントンDC近郊に住んでいるのです。
映画の冒頭は、いきなり車のレッカー移動のシーンから始まります。マクレーンが妻の母親から借りた車が空港の入口付近でレッカー移動され、違反切符を切られてしまうのです。
【動画】“DIE HARD 2 TRAILER (ダイ・ハード2 予告編)”, by 4YOUMOVIETRAILERS, YouTube, 2009/06/18
あわてたマクレーンは担当の警官にくいさがって見逃してもらおうとしますが、まったく相手にされません。
その時のブルース・ウィリスのセリフがこの言葉です。
“Hey, c'mon. It's Christmas.”
「なあ、頼むよ。今日はクリスマスだろ。」
“c'mon.”とは“come on”が口語で短くなったものです。
おめでたい日に免じて許してもらおうとしたのです。
警官は仏頂面で答えます。
“So Ask Santa to bring you another car.”
「じゃあサンタに別の車を頼みな。」
この映画、ちょっとした脇役のセリフまで気が利いています。

ブルース・ウィリス(Bruce Willis, 1955-)
By AP (ebay), 1987, cropped by Jim Saeki on 23 December 2013 [Public domain], via Wikimedia Commons
空港内はクリスマス休暇で旅行する人たちでごったがえしています。そんな中で不審な男2人組を見かけたマクレーンが荷物室で2人に声をかけたところ、不審者は実はテロリストで、マクレーンに発砲します。マクレーンは悪戦苦闘の結果、何とか2人を撃退しますが、空港で銃撃戦をおこしたマクレーンに対して空港警察の責任者ロレンゾ(Carmine Lorenzo)は大激怒し、職場から追い出そうとします。
このロレンゾ、実は冒頭でマクレーンに駐車違反の切符を切った警官の兄であることが途中でわかります。兄弟そろって融通の利かない奴だとマクレーンは思いながらも、なんとか事態を打開しようとしますが、空港の管制機能が乗っ取られて上空で待機する飛行機すべてが人質となってしまいます。
はたしてマクレーンは上空の飛行機に乗っている妻ホリーを助けることができるのでしょうか。

空港警察の責任者ロレンゾを演じたデニス・フランツ(Dennis Franz, 1944-)
photo by Alan Light, 11 September 1994, cropped by Jim Saeki on 23 December 2013 [CC-BY-2.0], via Wikimedia Commons
そして映画のラストシーン。ロレンゾはマクレーンに声をかけます。
“Hey McClane!
You get this parking ticket in front of my airport?”
「おいマクレーン!
お前さん空港の前でこの違反切符を切られたんだって?」
きっと弟の警官から聞いたのでしょう。
マクレーンはまたうるさいことを言われるのではないかとうんざりして、
“Yeah.”
「そうだ。」
と答えます。するとロレンゾはにっこり笑って、
“Ah, what the hell; it's Christmas!”
「まあいいか。今日はクリスマスだ!」
と言って、切符を切り裂いて捨ててしまいます。
クリスマスに免じて、というかマクレーンの活躍に免じて駐車違反を見逃してあげたのです。
二人は無言のまま笑顔で視線を交わし、それまでのわだかまりは氷解します。
そしてクリスマス・ソングの定番“Let It Snow! Let It Snow! Let It Snow!”が流れ、エンディング・タイトルになります。
最後に“Let It Snow! Let It Snow! Let It Snow!”が流れるところは前作『ダイ・ハード』と同じです。ちなみにどちらもヴォーン・モンロー(Vaughn Wilton Monroe, 1911-1973)の歌声です。
左:Let It Snow! Let It..
右:Let It Snow Let It Snow Let It Snow
僕は『ダイ・ハード』と『ダイ・ハード2』の両作品は稀に見るアクション映画の大傑作であると同時に、素晴らしいクリスマス映画でもあると思っています。
舞台はどちらもクリスマス・イブ。ところどころにクリスマス・ソングやベートーヴェンの第九などが流れます。ときどき効果音としてジングル・ベルの「シャンシャンシャン」という音が使われます。
そして最後に“Let It Snow! Let It Snow! Let It Snow!”が流れるのです。
1作目の『ダイ・ハード』では、ナカトミ社の年末パーティーのシーンで、ナカトミ社長が
“I wish you a Merry Chirstmas and a Happy New Year!”
と挨拶しています。
1作目の公開は1988年。日本経済はバブル真っ盛りで絶好調。そして
“Happy holidays!”
を使うのが正しいなどと小うるさいことは言われていなかったおおらかな時代なのです。

ロサンゼルスのFOXプラザ(FOX Plaza)ビル。『ダイ・ハード』の舞台ナカトミ・ビルとして使われた。
実際には20世紀フォックス(Twentieth Century Fox)の本社ビルとして使われている。
by tom bernard, 26 December 2005 [Public domain], via Wikimedia Commons
“It's Christmas!”
今日はクリスマスだ!
おめでたい祝日のクリスマス。
感謝の気持ちと家族への愛情を忘れずに。
細かいことは気にせずに、相手を許してあげましょう。
そうすると、あなたの身にも素晴らしい奇跡が起きるかもしれません。
よい祝日をお過ごし下さい。

By Peter from UK (Los Angeles Trip 2008), 12 February 2008 [CC-BY-2.0], via Wikimedia Commons
それでは今日はこのへんで。
またお会いしましょう! ジム佐伯でした。
【関連記事】第50回:“There ain't no such thing as a free lunch.”―「無料の昼食なんてものはない」(ロバート・A・ハインラインほか), ジム佐伯のEnglish Maxims, 2013年07月04日
【関連記事】第146回:“Happy Holidays!”―「楽しい祝日を!」(アメリカの年末祝日の挨拶), ジム佐伯のEnglish Maxims, 2013年12月21日
【関連記事】第147回:“Christmas is a time of great joy and an occasion for deep reflection.”―「クリスマスはとても楽しいが、同時に深く内省すべき時でもある。」(ベネディクト16世), ジム佐伯のEnglish Maxims, 2013年12月22日
【参考】Wikipedia(日本語版,英語版)
【参考】“5 Reasons Die Hard Is The Best Christmas Movie Ever Made(ダイ・ハードが史上最高のクリスマス映画である5つの理由)”, By Robert Brockway, CRACKED, December 09, 2009
【動画】“DIE HARD 2 TRAILER (ダイ・ハード2 予告編)”, by 4YOUMOVIETRAILERS, YouTube, 2009/06/18
| ツイート |


