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こんにちは! ジム佐伯です。
英語の名言・格言やちょっといい言葉をご紹介しています。

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記念すべき第100回の今日はこの言葉です。
“I dare hope that our paths will cross again.”「今後また皆さんとお会いできることを切に望みます。」
という意味です。
“our paths will cross again”
というのは「私たちの道が将来また交わる」ということで、「再会する」という意味を表しています。
“dare”というのは意味を強めるために使われている助動詞です。日常会話ではほとんど使われません。古風な感じもありますが、フォーマルの場で使われることがある格調の高いイギリス英語です。

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これは、高円宮(たかまどのみや)妃の久子さま(Hisako, Princess Takamado, 1953-)のお言葉です。
高円宮憲仁(のりひと)親王(Prince Takamado, 1954-2002)のお妃で、正式には憲仁親王妃久子殿下とお呼びするのが正しいそうです。
英語では、“Princess Hisako”や“Princess Takamado”と呼ばれます。
こちらも正式には、“Her Imperial Highness Princess Takamado”という称号が使われます。
日本のプリンセスのお一人なのです。

By Andrew Smith Lewis (Flickr), 22 May 2009, cropped by Jim Saeki on 28 September 2013 [CC-BY-2.0 (http://creativecommons.org/licenses/by/2.0)], via Wikimedia Commons
今月7日にアルゼンチンの首都ブエノスアイレス(Buenos Aires)で国際オリンピック委員会(IOC : International Olympic Committee)の総会が行われました。
2020年の夏季オリンピックの開催地を決める総会です。
招致候補都市として名乗りを上げた東京が、安倍晋三総理大臣(Shinzo Abe, 1954-)をはじめとして最終プレゼンを行って見事に開催地に選ばれたのは皆さんごぞんじの通りです。

“オリンピック東京プレゼン全文、安倍首相や猪瀬知事は何を話した?(IOC総会・プレゼン内容)”, ハフィントン・ポスト(The Huffington Post), 2013年09月08日
そのプレゼンに先立って、久子妃殿下がスピーチをされました。
IOC総会に日本の皇族がご出席されるのは初めてのことでした。
久子さまは、最初はフランス語で短いご挨拶を、続いて英語でスピーチの続きをされました。
近代オリンピックはフランスのクーベルタン男爵らの提唱で創立されたこともあり、第一公用語がフランス語、第二公用語が英語なのです。
【動画】“高円宮妃久子さま IOC総会で復興支援に感謝の言葉(13/09/08)”, by ANNnewsCH, YouTube, 2013/09/07
久子妃殿下はまず、一昨年の東日本大震災の時に日本の支援活動を行ったIOCとスポーツ界に対する感謝の意を伝えられました。そして、自らがIOCでお話しをされるのが初めてであること、日本の皇族は常に積極的にスポーツを支援していること、オリンピック精神やそれを実践を成功しているIOCは賞賛に値することなどを語られました。
その中でこの言葉が使われました。
“I dare hope that our paths will cross again.”スポーツを愛された高円宮憲仁親王殿下は、スカッシュを楽しまれていた際に心不全でお亡くなりになられました。その後、久子妃殿下は日本サッカー協会の名誉総裁など、憲仁殿下が務められていた多くの総裁職や名誉総裁職を引き継がれ、スポーツ振興にお力を注がれてきました。
「今後また皆さんとお会いできることを切に望みます。」
同じスポーツ振興という理念をもつIOCの人たちとも、スポーツという場を通してまた会われたいという妃殿下の思いが伝わる、とても素晴らしいお言葉だと思います。

【東京五輪決定】高円宮妃久子さまスピーチ全文, msn産経ニュース, 2013.9.11
皇室の一員として、妃殿下はオリンピックの東京招致を直接呼びかけられることは避けられ、
「これからいよいよチーム・ジャパンのプレゼンテーションが始まります。」などとご紹介されるに留まりました。
そして最後にまた英語とフランス語でお礼を述べられました。
流暢なフランス語と完璧なクイーンズ・イングリッシュ。
格調と気品に富んだスピーチは、出席者の心を打ち、満場の拍手が送られました。
後に続いたチーム・ジャパンの面々のプレゼンテーションも皆すばらしかったですが、妃殿下の優雅なスピーチが東京開催を決めた大きな要因の一つになったことは間違いありません。

“Princess Takamado's speech helped Tokyo win 2020 bid(高円宮妃のスピーチが2020年の東京招致成功を助けた)”, Mid-Day, September 09, 2013
久子さまは実業家の家庭に生まれ、聖心女子学院初等科・中等科を卒業後、父である鳥取滋治郎氏のイギリス転勤で渡英します。名門ケンブリッジ大学(University of Cambridge)のガートン・カレッジ(Girton College)で人類学と考古学を学ばれ、卒業後は帰国して翻訳会社に勤めます。その後再び渡英して法律を学び、帰国します。
国際会議で昭和天皇の弟君である三笠宮崇仁(たかひと)親王殿下(Prince Mikasa, 1915-)の通訳兼秘書を務めた縁で、カナダ大使館のパーティでご子息である憲仁殿下と出会い、結婚なさいます。
殿下は英語で
“Will you marry me?”とプロポーズされ、久子さまは
“Yes.”とお答えになられたそうです。なんともお二人らしいエピソードです。

By KhalidY (Photo by Khalid Yaqub.) [CC-BY-SA-2.5 (http://creativecommons.org/licenses/by-sa/2.5)], via Wikimedia Commons
“I dare hope that our paths will cross again.”
また皆さんとお会いできることを望みます。
日本国民はオリンピックの東京開催という大きな夢を再び持つことができました。
1964年に開催された東京オリンピックという道は、2020にまた世界の国々と交わるのです。
格調高いスピーチと上品な笑顔で人々の心を打った久子妃殿下。
これからも多くの人の道が妃殿下の道と交わり、スポーツ振興や国際親善がさらに進みますように。

By Frankie Fouganthin (Own work), 8 June 2013, cropped by Jim Saeki on 28 September 2013 [CC-BY-SA-3.0 (http://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0)], via Wikimedia Commons
それでは今日はこのへんで。
またお会いしましょう! ジム佐伯でした。
【関連記事】第78回:“The important thing is to take part.”―「参加することに意義がある」(クーベルタン男爵), ジム佐伯のEnglish Maxims, 2013年08月22日
【関連記事】祝!2020年オリンピック東京開催決定!!, ジム佐伯のEnglish Maxims, 2013年09月09日
【関連記事】第99回:“I'd like to be a queen in people's hearts.”―「人々の心の王妃でありたい」(ダイアナ妃), ジム佐伯のEnglish Maxims, 2013年09月28日
【参考】Wikipedia(日本語版,英語版)
【参考】“オリンピック東京プレゼン全文、安倍首相や猪瀬知事は何を話した?(IOC総会・プレゼン内容)”, ハフィントン・ポスト(The Huffington Post), 2013年09月08日
【参考】【東京五輪決定】高円宮妃久子さまスピーチ全文, msn産経ニュース, 2013.9.11
【参考】「高円宮妃久子さま IOC総会でスピーチ」, NHK ニュースで英会話, 2013年09月17日
【参考】“Princess Takamado's speech helped Tokyo win 2020 bid(高円宮妃のスピーチが2020年の東京招致成功を助けた)”, Mid-Day, September 09, 2013
【参考】“Olympics 2020: Why Tokyo is a 'safe pair of hands' to host Games(2020年オリンピック:なぜ東京が「そつなく」開催を決めたのか)”, David Bond (BBC SPORTS EDITOR), 8 September 2013
【動画】“高円宮妃久子さま IOC総会で復興支援に感謝の言葉(13/09/08)”, by ANNnewsCH, YouTube, 2013/09/07
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