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2013年08月11日

第72回:“Stay up all night to watch the Perseids!”―「一晩寝ないでペルセウス座流星群を見よう!」(NASA)

(本文2264文字、読み終わるまでの目安:5分40秒)


こんにちは! ジム佐伯です。
英語の名言・格言やちょっといい言葉をご紹介しています。

0072-perseid_meteor_in_2009.jpg
By Andreas Möller, 13 August 2009 [CC-BY-SA-3.0-de (http://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/de/deed.en)], via Wikimedia Commons

第72回の今日はこの言葉です。
“Stay up all night to watch the Perseids!”
なじみの薄い単語が入っていて難しいですが、
「一晩寝ないでペルセウス座流星群を見よう!」
という意味です。

この言葉、アメリカ航空宇宙局(NASA)が今年のペルセウス座流星群について解説した記事のタイトルとしてつけられたものです。

0072-nasa_chat_on_perseids.jpg
“Stay 'Up All Night' to Watch the Perseids!(一晩寝ないでペルセウス座流星群を見よう!)”, NASA Chat, 10 August 2013

この記事には次のように書いてあります。

“Perseid meteor shower peaks on the night of Aug. 11-12.”
「ペルセウス座流星群は8月11〜12日の夜に極大を迎える」

“Perseids”(パースィーズ)とは「ペルセウス座流星群」のことです。
この一単語だけでも流星群という意味になりますが、わかりやすいように“meteor shower”(流星群)をつけて“Perseid meteor shower”ということも多いです。

0072-2010_perseids_over_the_VLT.jpg
チリのパラナル天文台(Paranal Observatory)
超大型望遠鏡VLT (Very Large Telescope) の上空に出現したペルセウス座流星群の流星
By ESO/S. Guisard (http://www.eso.org/public/images/potw1033a/), 16 August 2010 [CC-BY-3.0 (http://creativecommons.org/licenses/by/3.0)], via Wikimedia Commons

かつて『メテオ(Meteor)』(1979年アメリカ)という映画がありました。巨大隕石が地球に落ちてくるという話で、『ディープ・インパクト(Deep Impact)』(1998年アメリカ)や『アルマゲドン(Armageddon)』(1998年アメリカ)の先駆的な作品です。
この映画の日本語タイトルのように「メテオ」と言うと、禍々(まがまが)しいというイメージがあります。
しかし英語の発音では「ーティア」と言います。ちょっと可愛い感じですね。
また、口語では「ながれぼし」のことを“shooting star”と言います。

“peak”という言葉は、「ピーク」という日本語にもなっています。
ここでは「ピークを迎える」という動詞として使われています。
天文学の用語では「極大になる」と言います。
アメリカ時間で書かれていますが、日本では今年は8月12〜13日が極大になります。
明日からあさっての夜にかけて、ペルセウス座流星群がピークを迎えるのです。

流星群とは、流れ星が一度にたくさん出現する現象です。
突然あらわれることもありますが、多くは毎年決まった時期にあらわれます。
ペルセウス座流星群も、毎年8月13日ごろに極大になります。
極大の頃には1時間で30個から60個の流れ星が見られるといいます。
1〜2分に1個のペースですから、「流星雨」というほどではないですが、それでも普段と比べたら流れ星を見るチャンスが大きくなります。
13日だけでなく、前後の2〜3日もかなり流れます。
夏休みに流れ星を見たという思い出がある人も多いのではないでしょうか。

日本の国立天文台もペルセウス座流星群について、日本語でくわしく解説しています。

0072-naoj_perseids.jpg
『特集 ペルセウス座流星群 ―2013年8月13日未明、最高の条件で極大を迎える』, 国立天文台

今年は月が夜10時前に沈んでしまいますから、よい条件で観察ができるそうです。
天気がよければ空を見上げてみてください。

NASAのジェット推進研究所(JPL : Jet Propulsion Laboratory)では、今年見られる主な流星群をリストアップしています。
その中でも今年はやはりペルセウス座流星群が最も見ごたえがあるようです。

0072-nasa_jpl_asteroid_watch.jpg
“How to See the Best Meteor Showers of the Year(この年最高の流星群を見る方法)”, NASA JPL Asteroid Watch, December 31, 2011, Update: Thursday April 18, 2013

毎年おなじ時期に流星群が見られるのは、その時期に地球が通過する宇宙空間に流星のもとになる氷や岩石などの宇宙の塵(debris)がたくさんあるからです。
実はこの時期、地球はスイフト・タットル彗星(Comet Swift–Tuttle)という彗星の軌道を横切るのです。
彗星の軌道上には彗星から放出された氷や砂粒、小石などの岩石からなる塵が多く漂っています。
これが地球に落下して大気との摩擦で輝き、流星となります。
このような関係から、スイフト・タットル彗星はペルセウス座流星群の母天体(parent object)と呼ばれます。
この彗星の周期は133年、前回の回帰は1992年でした。

ときどき混同される「ながれぼし(shooting star)」の流星(meteor)と「ほうきぼし(blazing star)」の彗星(comet)。
まったく別モノかと思いきや、実は親子関係にも似た意外なつながりがあったのですね。

スイフト・タットル彗星の写真が見つかりませんでしたので、へール・ボップ彗星(Comet Hale-Bopp)の写真を載せておきます。
へール・ボップ彗星はしぶんぎ座流星群(Quadrantids, りゅう座流星群とも)の母天体の候補とされています。
1997年に回帰し、非常に明るくなった大彗星です。日本でも見事な姿が見えました。
公転周期は約2530年だそうですので、生きている間はあの時限りの天体ショーでした。

0072-comet_hale_bopp.jpg
1997年に回帰したへール・ボップ彗星(Comet Hale-Bopp)
By Philipp Salzgeber, 29 March 1997 [CC-BY-SA-2.0-at (http://creativecommons.org/licenses/by-sa/2.0/at/deed.en)], via Wikimedia Commons

ところで、流れ星を宇宙から見たらどんな感じなのでしょう。
アメリカの宇宙飛行士ロン・ガラン(Ronald J. Garan, Jr. "Ron Garan", 1961-)は、国際宇宙ステーション(International Space Station)からペルセウス座流星群を撮影し、NASAのサイトで発表しました。
丸い地球を背景に輝く流れ星、なかなか見られない光景ですね。

0072-ron_garan.jpg
ロン・ガラン(Ronald J. Garan, Jr. "Ron Garan", 1961-)
By NASA, 14 September 2007 [Public domain], via Wikimedia Commons

0072-perseids_from_ISS.jpg
国際宇宙ステーション(International Space Station)から撮影したペルセウス座流星群の流星
By Ron Garan, Expedition 28 flight engineer, taken from the International Space Station on, 13 August 2011, NASA [Public domain], via Wikimedia Commons

“Stay up all night to watch the Perseids!”
一晩寝ないでペルセウス座流星群を見よう!

完全に徹夜する必要なないと思いますが、流れ星を見ながら夏の夜を楽しむのもいいですね。
下の写真には望遠鏡や双眼鏡がありますが、流れ星の観察には肉眼が一番です。
気軽に、気長に楽しみましょう。
願いごとをするのもお忘れなく!

0072-astronomy_amateur.jpg
Halfblue at the English language Wikipedia, August 2006 [GFDL (http://www.gnu.org/copyleft/fdl.html) or CC-BY-SA-3.0 (http://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/)], via Wikimedia Commons

それでは今日はこのへんで。
またお会いしましょう! ジム佐伯でした。

【関連記事】第71回:“We are made of starstuff.”―「私たちは星の材料でできている」(カール・セーガン), ジム佐伯のEnglish Maxims, 2013年08月10日

【参考】Wikipedia(日本語版, 英語版
【参考】“Stay 'Up All Night' to Watch the Perseids!(一晩寝ないでペルセウス座流星群を見よう!)”, NASA Chat, 10 August 2013
【参考】『特集 ペルセウス座流星群 ―2013年8月13日未明、最高の条件で極大を迎える』, 国立天文台
【参考】“How to See the Best Meteor Showers of the Year(この年最高の流星群を見る方法)”, NASA JPL Asteroid Watch, December 31, 2011, Update: Thursday April 18, 2013



タグ:宇宙 NASA
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posted by ジム佐伯 at 07:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 宇宙 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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