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2013年05月05日

第13回:“Boys, be ambitious!”―「少年よ、大志を抱け!」(クラーク博士)

(本文1741文字、読み終わるまでの目安:4分21秒)


こんにちは! ジム佐伯です。
英語の名言・格言やちょっといい言葉をご紹介しています。

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Image Copyright スタジオサラ, Used under license from Links Co., Ltd.

第13回の今日はこの言葉です。
“Boys, be ambitious!”
「少年よ、大志を抱け!」
明治期に札幌農学校(今の北海道大学)の教頭をつとめたウィリアム・スミス・クラーク博士(William Smith Clark, 1826-1886)の言葉です。クラーク博士は1876年(明治9年)、アメリカのマサチューセッツ農科大学(Massachusetts Agricultural College)の学長だった時に日本に招かれました。

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ウィリアム・スミス・クラーク博士(William Smith Clark, 1826-1886)
By Unidentified [Public domain], via Wikimedia Commons

大河ドラマ「八重の桜」で後に八重の夫となる新島襄(Joseph Hardy Neesima, 1843-1890)の紹介でした。新島襄は1864年(元治元年)に箱館(今の函館)からアメリカへ密航し、マサチューセッツ州のアマースト大学(Amherst College)でクラーク博士の教えを受けたのだそうです。

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新島襄(Joseph Hardy Neesima, 1843-1890)
Photographer unknown, Japanese book Kinsei Meishi Shashin vol.2 (近世名士写真 其2), Published in 1934–1935 [Public domain], via Wikimedia Commons


『八重の桜 前編 (NHK大河ドラマ・ストーリー) 』,NHK出版 (2012/12/20)

クラーク博士の肩書きは札幌農学校の教頭でしたが、実質は学内のすべてを博士が取りしきっていました。英語では“President”の肩書きを使っていました。
彼は校則を定める際に、細かい規則はいらないと言ったそうです。
そして、
“Be gentleman.”
「紳士たれ。」
の一言があれば十分だと語りました。
紳士はどうあるべきかを自分で考えて行動できる人間になって欲しいということですね。

翌年5月、博士は日本を離れます。わずか8ヶ月の滞在でした。
見送った学生たちの一人一人と握手を交わし、博士は馬に飛び乗って最後に一声言いました。
“Boys, be ambitious!”
そして馬に鞭をふるい、雪の残る林を駆けて去ったと言われています。
まるで映画の一シーンのようですね。
あまりに話がよくできているので、後世の創作ではないかという説があるぐらいです。

“Boys,”という呼びかけはどうなのかという意見もあります。
通常は男性には“Gentlemen,”と呼びかけます。
“Ladies and gentlemen,” 
の“Gentlemen,”です。
「紳士淑女諸君」や「紳士淑女の皆さん」と訳すこともありますが、そんな改まった古風な意味はなく、普通に「諸君」「みなさん」という意味です。
女性だけの場合は“Ladies,”で男性だけの場合は“Gentlemen,”になるのです。

映画「トップ・ガン(Top Gun)」(1986年アメリカ)でも、海軍上位1%の戦闘機パイロットを集めたトップ・ガン(アメリカ海軍戦闘機兵器学校, United States Navy Fighter Weapons School)のメンバーたちに教官が“Gentlemen,”と呼びかけています。
先ほどの校則のエピソードを考えると、クラーク博士なら学生たちには“Gentlemen,”と言いそうですよね。


『トップガン スペシャル・コレクターズ・エディション [Blu-ray]』,パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン(2010/09/16)

また、この言葉には続きがあるとも言われています。
“Boys, be ambitious!
 Be ambitious not for money or for selfish aggrandizement, not for that evanescent thing which men call fame.
 Be ambitious for the attainment of all that a man ought to be.”

「少年よ、大志を抱け。
 しかし、金を求めたり利己心を求めたり、人が名声と呼ぶ、つかの間のものを求めたりする大志であってはならない。
 人間としてあるべきすべてのものを成しとげるために大志を抱きたまえ。」
凄いです。立派です。
でも馬に乗って駆け去る前にこんな長い言葉を言ったようには思えません。
難しい単語も混じってますし、僕が学生だったら絶対聞き取れません。
せっかくの別れの挨拶なのに。

少し願望が入りますが、
“Boys, be ambitious!”
が史実で、その後の言葉は後世の創作だと考えたいです。

“Boys, be ambitious!”
それにしてもこんな素晴らしい先生を持った学生たちは幸せですね。
あと、こちらも忘れずに書いておきます。
“Girls, be ambitious!”

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Image courtesy of savit keawtavee / FreeDigitalPhotos.net

今日は少し長くなってしまいました。それではよい連休をお過ごし下さい。
またお会いしましょう! ジム佐伯でした。

【参考】Wikipedia(日本語版英語版



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posted by ジム佐伯 at 18:00 | Comment(1) | 教育 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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この記事へのコメント
jzjづうjs
Posted by 河合  at 2015年02月08日 19:34
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