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2017年10月24日

第470回:“Whoever leads in AI will rule the world.” ―「AIを制する者が世界を制する」(プーチン)

こんにちは! ジム佐伯です。
英語の名言・格言やちょっといい言葉、日常会話でよく使う表現などをご紹介しています。

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By No machine-readable author provided. Gengiskanhg assumed (based on copyright claims). [GFDL or CC-BY-SA-3.0], via Wikimedia Commons

第470回の今日はこの言葉です。
“Whoever leads in AI will rule the world.”

「AIを制する者が世界を制する」
という意味です。これはロシア連邦の大統領ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin, 1952-)の言葉です。
“AI”とは“Artificial Intelligence”の略で、人工知能のことです。
ものすごいスピードで技術が進歩している人工知能を制する者が世界の支配者になれるのだ、ということです。これはプーチン大統領がロシアの児童生徒に向けて講演した際に語った言葉です。もちろんロシア語でですが。

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ウラジーミル・プーチン(2006年撮影)
Kremlin.ru [CC BY 3.0 or CC BY 4.0], via Wikimedia Commons

プーチンは子供たちの前で、
“Artificial intelligence is the future, not only for Russia, but for all humankind.”
「人工知能(AI)はロシアのみならず全人類の未来です」
“It comes with colossal opportunities, but also threats that are difficult to predict.”
「そこには絶大なチャンスがある半面、現代では予測しにくい脅威もあります」
と語ります。そしてプーチンは続けます。
“Whoever leads in AI will rule the world.”
「AIを制する者が世界を制するのです」



【動画】“Whoever leads in AI will rule the world!- Putin to Russian children on Knowledge Day(人工知能を制する者が世界を制する!「知識の日」にプーチンがロシアの子供たちに語る)”, by Russia Insider, YouTube, 2017/09/04

それでは、コンピュータと人工知能の歴史を振り返ってみましょう。
世界で最初のコンピュータの一つが、第二次世界大戦中に開発されて1946年からペンシルベニア大学で稼働した『ENIAC(エニアック)』と呼ばれる電子計算機です。トランジスタが発明される前の装置ですので、ENIACには1万7千本以上の真空管が使われています。当時の電気機械式計算機に比べて千倍の計算速度があったそうです。
ENIACはもともとアメリカ陸軍の弾道研究室での砲撃射表の作成のために開発されましたが、完成後に最初に使われたのは水爆の開発に関する計算のためでした。配線を変えることで任意のプログラムを実行できたのは、当時は画期的なことでした。

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ENIAC
By United States Army (Image from [1]) [Public domain], via Wikimedia Commons

1950年、イギリスの数学者にして計算機科学者のアラン・チューリング(Alan Turing)が画期的な論文を発表します。その論文でチューリングは機械が知性を持っているかどうかを判断する一つの基準として、あるテストを提案します。文章のやりとりで機械と対話をした人間が、対話の相手を人間か機械か区別できない場合、その機会が「知性」を持っているとしてもよいというものです。これが「チューリング・テスト(Turing Test)」です。チューリング・テストは今でもAIの知性を評価する基準として有効とされています。

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若き日のアラン・チューリング(1927年撮影)
Photo by Unknown [Public domain], via Wikimedia Commons

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チューリング・テストの例:
質問者Cは、A、Bそれぞれとの文字のやりとりだけでどちらが人間かを判別しなければならない
By Bilby (Own work) [Public domain], via Wikimedia Commons

1952年、IBM社が最初のメインフレームと呼ばれる汎用コンピュータ『IBM 701』を発売します。これも真空管を使ったコンピュータで、1秒間に2万1000回の演算が可能だったと言われます。入力にはパンチカードが使われていました。
IBM 701は政府機関や軍を顧客としていて、“Defense Calculator(国防計算機)”と呼ばれます。ロシア語から英語への自動翻訳を世界で初めて行ったのもこのマシンです。

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IBM 701のプロセッサーフレーム
By Dan (Flickr: IBM 701) [CC BY-SA 2.0], via Wikimedia Commons

1956年、アメリカのダートマス大学のジョン・マッカーシー(John McCarthy)やプリンストン大学のマービン・ミンスキー(Marvin Minsky)らの計算機科学の第一人者が集まり、機械による学習や知能の可能性が話し合われます。ダートマス会議(Dartmouth workshop)です。ここでマッカーシーはこの研究分野を「AI: Artificial Intelligence(人工知能)」と名付けようと提唱します。この年が「人工知能元年」と言われます。

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ジョン・マッカーシー(2006年撮影)
By "null0" [CC BY-SA 2.0], via Wikimedia Commons

ジョン・マッカーシーはMIT(マサチューセッツ工科大学, Massachusetts Institute of Technology)に移って人工知能の研究を始め、2年後にマービン・ミンスキーもMITの研究グループに合流します。
その後の15年ほどは「AIの黄金時代」とも呼ばれ、次々と目覚ましい研究成果が上がります。
コンピュータは代数問題を解き、幾何学の定理を証明し、英語を学習します。自然言語処理や画像認識の技術も急速に進歩します。政府や軍は莫大な資金をAIの研究に投資します。研究者たちも楽観的で、人口知能は短期間で人間に追いつき、追い越すのではといわれます。

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マービン・ミンスキー(2006年撮影)
By Flickr contributor Steamtalks (http://www.flickr.com/photos/steamtalks/483768840) [CC BY-SA 2.0], via Wikimedia Commons

1958年に、アメリカの心理学者フランク・ローゼンブラット(Frank Rosenblatt)「パーセプトロン(Perceptron)」を発表します。視覚と脳の機能をモデル化したもので、ニューラルネットワーク(Neural Network)の一種です。単純なモデルで学習能力を持つパターン認識ができるため、1960年代にはニューラルネットワークの研究ブームが巻き起こります。


Perceptrons: An Introduction to Computational Geometry (MIT Press)
Marvin Minsky (著), Seymour A. Papert (著)

しかし1969年、マービン・ミンスキーが2層パーセプトロンには解けない問題があると発表します。
この主張が誇張されて誤解を生み、ミンスキーの意思に反してその後ニューラルネットワークの分野の研究がほとんど行われなくなってしまいます。AIへの期待が大きかった分、その反動で失望も大きかったのでしょう。AIの研究そのものに対しても研究予算が大幅に削減されます。
過度なブームの後にはその反動で幻滅期が来るという、調査会社ガートナー(Gartner)が1995年に提唱した「ハイプ・サイクル(hype cycle)」そのままの経過です。
「AIの冬(The first AI winter)」の時代の到来です。

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ガートナーのハイプサイクル
Jeremykemp at English Wikipedia, text added by Jim Saeki [GFDL or CC BY-SA 3.0], via Wikimedia Commons

しかし冬の時代にも次の技術の基盤がしっかりと育てられます。
1970年代、スタンフォード大学のエドワード・ファイゲンバウム(Edward Feigenbaum)らが「エキスパート・システム(Expert system)」を提唱します。専門家エキスパートの意思決定能力を模倣するもので、「もし…ならば…だ(If ..., then ....)」という「イフ・ゼン・ルール(If-then rules)」を集積した知識ベース(knowledge base)をもとに、複雑な問題の解を推論します。
1980年代に入るとエキスパートシステムは会計や医療、金融や製造業、人事やゲームなど、さまざまな分野で多くの企業や組織に使われるようになり、AIの研究は再び活況を取り戻します。
「第2次AIブーム」の到来です。

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エドワード・ファイゲンバウム(1994年撮影)
By United States Air Force (United States Air Force) [Public domain], via Wikimedia Commons

これらのAIの研究には高価な汎用コンピュータが主に使われ、マッカーシーやミンスキーらが開発した「LISP」というプログラミング言語を専門に扱っています。その一方で、「PC」と略される個人向けのパーソナルコンピュータ(Personal Computer)も次々に開発されます。
1977年、スティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)が設立したアップル社(Apple)が、世界初の量産パーソナルコンピュータ『アップルU(Apple II)』を発売します。アップルUがヒットしたため、企業向けのメインフレームだけを販売していたIBMも1981年にパーソナルコンピュータ『IBM PC』を発売します。IBM PCの動作を制御する基本ソフトであるオペレーティングシステム(OS)である『PC DOS』を開発したのは、ビル・ゲイツ(Bill Gates)が設立したマイクロソフト社(Microsoft)です。PC DOSはマイクロソフトの『MS-DOS』の名前を変えただけのOEM製品です。
1984年、アップルがマウスを使った画期的な操作性を持つ『マッキントッシュ(Macintosh)』を発売します。奇しくも同じ1984年、IBMはパーソナルコンピュータ『IBM PC/AT』を発売します。いずれもその後爆発的に普及したパーソナルコンピュータの原型となったモデルです。

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IBM PC/AT
By MBlairMartin (Own work) [CC BY-SA 4.0], via Wikimedia Commons

アップルやIBMのパーソナルコンピュータの性能は着々と向上し、1987年には高価なLISPマシンの性能を上回るようになります。そのためAI専用に近かった高価なLISPマシンはまったく売れなくなり、総額5億ドル(約720億円)の市場が消滅します。
AIの研究も、エキスパートシステムへの熱狂的な期待の反動で、再び失望が広がります。エキスパートシステムは特定の問題の解決には強いですが、限られた状況のみの話です。維持コストが高く、更新が難しい上に学習もできず、入力が間違っているととんでもない答えを提示するという欠点があります。
政府や軍は、再びAIへの研究投資を削減します。第2の「AIの冬(The second AI winter)」の到来です。歴史は繰り返したのです。
研究者たちは「人工知能」というと研究予算がつかないので、「インフォマティクス」「知識ベース」「認知システム」などの別の名称で研究予算を申請し、細々と研究を続けるようになります。

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シンボリックス社(Symbolics)のLISPマシン
初期のエキスパートシステムに使われた
Michael L. Umbricht and Carl R. Friend [GFDL or CC BY-SA 3.0], via Wikipedia

少し時代はさかのぼりますが、1980年にアメリカの哲学者ジョン・サール(John Searle)「強いAI(strong AI / full AI)」「弱いAI(applied AI / narrow AI / weak AI)」という概念を提唱します。人間と同じように精神や意識が宿るAIが「強いAI」と呼ばれます。一方、人間と同じ受け答えをしているように見えても、精神や意識までは持っていないAIが「弱いAI」だというのです。ジョン・サールは人工知能には批判的な立場にありましたが、それゆえにAIの研究で最も重要な核心を指摘しています。

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ジョン・サール(2005年撮影)
By Matthew Breindel uploader Matro at en.wikipedia (self made Originally from [1]) [GFDL or CC-BY-SA-3.0], via Wikimedia Commons

1995年、マイクロソフトがインターネット接続を標準装備するOS『Windows 95』を発売します。PCが一般家庭にも普及し、誰もが気軽にネットを楽しめるようになります。
研究向けのコンピュータも着々と性能が向上し、ソフトウェア技術も進歩します。
1997年、IBMが開発したチェス専用のスーパーコンピュータ『ディープ・ブルー(Deep Blue)』がチェスの世界チャンピオンであるロシアのガルリ・カスパロフ(Garry Kasparov)に勝利します。ディープ・ブルーはチェス専用のプロセッサを512個備え、C言語で書かれたプログラムで1秒間に2億手の先読みを行って人間の手を予測し、有効な「次の一手」を評価関数を使って判断するのです。2年前の初対決ではカスパロフが3勝1敗2引き分けで勝利しましたが、2度目の対決でディープ・ブルーが2勝1敗3引き分けで勝利します。

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ディープ・ブルーとカスパロフの対戦(1995年撮影)
Photo by Bernie Nunez /Allsport [Rights-managed], via Getty Images

AIの流れをくむインフォマティクスの研究も、さまざまな成果を上げます。
蓄積されたデータから統計学やパターン認識などを使って新しい知識を取り出すデータマイニング(data mining)、人間の声を聞き取って何を言っているか判別する音声認識(speech recognition)、文章データを解析してどんな意味かを認識する自然言語処理(natural language processing)など、さまざまな分野に応用できる技術が育ってきたのです。
1998年に創業したグーグル社(Google)は、インターネットのウェブサイトを検索する検索エンジンを提供します。独自のプログラムが世界中のウェブサイトを巡回して情報を集め、利用者が探したい情報を瞬時にリストアップするのです。そのために膨大な蓄積データと最新のデータ解析技術が使われています。

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シリコンバレーにあるグーグル本社の建物(2016年撮影)
Photo by Michael Short/Bloomberg [Rights-managed], via Getty Images

2005年、世界的な人工知能研究の権威でもあるアメリカの発明家レイ・カーツワイル(Ray Kurzweil)が衝撃的な著作『シンギュラリティは近い(The Singularity Is Near)』を発表します。2045年に人工知能が人間の知能を追い抜く技術的特異点(シンギュラリティ)が訪れるというのです。
しかしこのセンセーショナルな未来予測は、発表当時は荒唐無稽な説とされ、真剣に受け止められることはありませんでした。

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レイ・カーツワイル(2006年撮影)
By "null0" (http://www.flickr.com/photos/null0/271935168/) [CC BY-SA 2.0], via Wikimedia Commons

2006年、イギリス出身の計算機科学者ジェフリー・ヒントン(Geoffrey Hinton)がニューラルネットワークを応用したディープ・ラーニング(deep learning, 深層学習)を発明します。この技術は人手を介さずに自動的に特徴量が抽出できることから大きなブレークスルーになります。
ディープ・ラーニングはその後も急速に発達し、第3次人工知能ブームとなります。
また、ネットで蓄積されたデータやさまざまなセンサから収集されるデータの量が膨大になり、「ビッグデータ(big data)」という概念が提唱されます。宝の山であるビッグデータを分析して得られたさまざまな有益な知見を実世界での運用に役立てようというのです。

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ジェフリー・ヒントン(2016年撮影)
By Steve Jurvetson from Menlo Park, USA, cropped by Jim Saeki in 2017 (Deep Thinkers on Deep Learning) [CC BY 2.0], via Wikimedia Commons

2007年、アップルが『iPhone』を発売します。これ以降、スマートフォンの普及が急速に進みます。今や、スーパーコンピュータ並みの計算能力を備えた手のひらサイズのスマートフォンを1人1台以上持ち歩く時代となったのです。

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iPhone X(2017年9月12日撮影)
by Bloomberg [Rights-managed], via Getty Images

2011年、IBMが開発した人工知能『ワトソン(Watson)』がアメリカの人気クイズ番組『ジョパディ!(Jeopardy!)』に出演し、人間代表の2人と対戦します。ワトソンは本や百科事典など2億ページ分のデータを取り込んで、1秒間に80兆回の演算ができる処理能力を持っています。
対戦は1回目が引き分け、2回目がワトソンが勝利して、ワトソンは賞金100万ドル(約7800万円)を獲得します。賞金は慈善事業に全額寄付されます。
ワトソンはクイズを解くだけでなく、料理のレシピを考案したり、病気の診断をしたりするなど、さまざまな応用に向けて研究されています。


【動画】“Watson and the Jeopardy! Challenge (ワトソンと「ジョパディ!」への挑戦)”, by IBM Research, YouTube, 2013/11/06

2014年、イギリスのレディング大学(University of Reading)でチューリング・テストの競技会が開催されます。チューリング・テストを提唱したイギリスのアラン・チューリングの没後60周年を記念するイベントです。
この競技会で、13歳のウクライナの少年を名乗るAIのユージーン・グーストマン(Eugene Goostman)が審査員の33%を欺き、ユージーンが人間であると思わせることに成功します。ユージーンはロシア人のウラジミール・ベセロフ(Vladimir Veselov)とウクライナ人のユージーン・デムチェンコ(Eugene Demchenko)らが開発したAIで、世界で初めてチューリングテストに合格するという快挙を達成したのです。
ウクライナ出身の13歳の少年というキャラクター設定が、知識も未熟で英語もそれほど流暢ではないという「逃げ」になっており、「設問に制限を加えない」というチューリングテストのルールに違反しているという批判の声もあります。
しかし、それでもとにかく人間と区別がつかないほどの知性を感じさせるコンピュータが登場したのは事実です。


【動画】“Passing the Turing test (チューリング・テストに合格)”, by CNN, YouTube, 2014/06/10

今から20年前の1997年にディープ・ブルーがチェスでカスパロフに勝った時、日本の将棋は持ち駒を再使用できるからチェスより遥かに複雑で、当分はコンピュータは将棋で人間に勝てないだろうと言われます。ましてやさらに複雑で戦略的な思考が必要な囲碁ではコンピュータが人間に勝つことはほぼ無理だろうと言われます。
しかし2011年の第1回将棋電王戦で、富士通研究所所属の伊藤英紀(Hideki Ito)が開発した将棋ソフト「ボンクラーズ(Bonkras)」が当時の日本将棋連盟会長だった米長邦雄(Kunio Yonenaga)永世棋聖を破ります。


【動画】“【第1回将棋電王戦】 米長邦雄永世棋聖 vs ボンクラーズ PV”, by 将棋電王戦(niconico), YouTube, 2014/09/19

そして2016年、グーグルの子会社であるイギリスのディープマインド社(Deep Mind)が開発した囲碁ソフト「アルファ碁(AlphaGo)」が、囲碁の世界大会で何度も優勝した「囲碁界の魔王」と呼ばれる韓国のイ・セドル(Lee Sedol)と対戦し、4-1で破ります。また、2017年には棋士レーティング世界1位である中国の柯潔かけつ(Ke Jie)を3戦全勝で破ります。
コンピュータはチェスでのディープ・ブルーの勝利からわずか14年後に将棋で、そして19年後に囲碁で人間を打ち負かしたのです。


【動画】“AlphaGo Official Trailer (『アルファ碁』 - 公式予告編)”, by AlphaGo Movie, YouTube, 2017/09/19

つい先日、驚くべきニュースが発表されます。その「アルファ碁」を圧倒的な勝率で破った棋士が現れたというのです。その棋士の名は「アルファ碁ゼロ(AlphaGo Zero)」。2017年10月に発表された最新バージョンです。過去の膨大な対局データを使って学習していたこれまでのバージョンから大幅に異なり、AI同士が超高速で対局を繰り返して自己学習するものです。過去のデータがなくてもまったく初心者の状態から学習して強くなるという画期的なAIなのです。


【動画】“AlphaGo Zero: Starting from scratch”, by DeepMind, YouTube, 2017/10/18

“Whoever leads in AI will rule the world.”
AIを制する者が世界を制する。

チェスやクイズや囲碁・将棋では人間の能力を凌駕するほどまで進歩した人工知能。
チューリング・テストで13歳の少年を完璧に演じられるようになったコンピュータ。
この勢いだと総合的な知性で人間を上回る「シンギュラリティ」の到来もそう遠くないかもしれません。
はたしてAIは誰が制するのでしょうか。
そしてプーチンが言うように、AIを制する者は世界を制することになるのでしょうか。


【動画】“The Singularity Is Near Movie Trailer (『シンギュラリティは近い』予告編)”, by TSINthemovie, YouTube, 2012/06/15

それでは今日はこのへんで。
またお会いしましょう! ジム佐伯でした。

【関連記事】第376回:“Give me back my pen.” ―「ペンを返せ」(プーチン大統領), ジム佐伯のEnglish Maxims, 2016年11月07日
【関連記事】第378回:“Bald-hairy” ―「つるふさの法則」(ロシアのジョーク), ジム佐伯のEnglish Maxims, 2016年11月13日
【関連記事】第332回:“Oh Watson, your Japanese is very good.” ―「ワトソン、日本語上手だね」(渡辺謙), ジム佐伯のEnglish Maxims, 2016年06月23日
【関連記事】第79回:“Stay hungry. Stay foolish.”―「貪欲であれ。愚直であれ」(スティーブ・ジョブズ), ジム佐伯のEnglish Maxims, 2013年08月24日

【参考】Wikipedia(日本語版英語版
【参考】“AIを制する国が「世界を支配」、プーチン大統領が持論展開”, CNN, 2017.09.04
【参考】“プーチン「AIを制するもの世界を制す」と学生に説く。「一強は望ましくない、ロシアは知識を共有する」とも”, by Munenori Taniguchi, engadget日本版, 2017年9月5日
【参考】“プーチンがAI(人工知能)に関して語った話が深すぎる!「ロシアはAI技術を他国とシェアする、なぜならば…」”, TOCANA, 2017.09.29
【参考】“'Whoever leads in AI will rule the world’: Putin to Russian children on Knowledge Day”, RT, 1 Sep, 2017
【参考】“チューリングテストと中国語の部屋”, by (社) 人工知能学会, 人工知能の話題, What's AI
【参考】“史上初のチューリングテスト合格スパコンが登場、コンピュータの「知性」を認定”, by logv_to, Gigazine, 2014年06月09日
【参考】“史上初のチューリングテスト合格者「Eugene」はテストに合格していないと著名な専門家たちが指摘”, by logv_to, Gigazine, 2014年06月12日
【参考】“アルファ碁が進化した最新囲碁ソフトが誕生 対局データなしに独学で最強に”, by Japan Science and Technology Agency(JST), Science Portal, 2017年10月20日
【参考】“「アルファ碁ゼロ」 最強AI、人間の棋譜学ばずAIどうしの対局で上達”, by 朝日新聞, The Huffington Post, 2017年10月19日

【動画】“Whoever leads in AI will rule the world!- Putin to Russian children on Knowledge Day(人工知能を制する者が世界を制する!「知識の日」にプーチンがロシアの子供たちに語る)”, by Russia Insider, YouTube, 2017/09/04
【動画】“Watson and the Jeopardy! Challenge (ワトソンと「ジョパディ!」への挑戦)”, by IBM Research, YouTube, 2013/11/06
【動画】“The Singularity Is Near Movie Trailer”, by TSINthemovie, YouTube, 2012/06/15
【動画】“Passing the Turing test (チューリング・テストに合格)”, by CNN, YouTube, 2014/06/10
【動画】“【第1回将棋電王戦】 米長邦雄永世棋聖 vs ボンクラーズ PV”, by 将棋電王戦(niconico), YouTube, 2014/09/19
【動画】“AlphaGo Official Trailer (『アルファ碁』 - 公式予告編)”, by AlphaGo Movie, YouTube, 2017/09/19
【動画】“AlphaGo Zero: Starting from scratch”, by DeepMind, YouTube, 2017/10/18
【動画】“The Singularity Is Near Movie Trailer (『シンギュラリティは近い』予告編)”, by TSINthemovie, YouTube, 2012/06/15



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posted by ジム佐伯 at 07:00 | ロンドン | Comment(2) | 情報社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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のざわさん、こんにちは。ジム佐伯です。 コメントありがとうございます。そしていつもブログをご覧になって頂きありがとうございます。台風シーズンとなり、日本にも相次いで台風がやってきて大変ですね。イギリスにハリケーンはめったに来ないのですが、先週はハリケーン「オフィーリア」が史上初めてスコットランドを直撃し、大きな被害が出ました。AIの記事、長くなってしまってすみません。僕も書いていていろいろ考えさせられました。今ちょうどAIの記事の第2弾を書いていて、もうすぐアップします。よろしければお読み下さい。コメントとても励みになります。これからもよろしくお願いします!!
Posted by ジム佐伯 at 2017年10月28日 06:23
ジム佐伯様、おはようございます。今回の記事も大変興味深く拝読させていただきました。コンピューターの歴史が大変分かり易く説明されておりました。「AIを制するものが世界を制する」確かにスマホの普及はすごい、IT関連の企業の売上のものすごさに舌を巻きます。実際に日々の生活で手放すことができない便利なツールです。ITの普及で生活様式も変わりました。本が売れない。スマホでなんでも調べれば出てきます。でも私の年代にとって、何か大切なもの、(本を手にじっくり考えながら過ごすライフスタイルなど)が失われたような寂しさを覚えます。世界が○○ファーストと言って他を排除する傾向が現れたことも由々しきことです。AIとこの傾向に関連性はないのかも知れませんが…。
Posted by のざわ at 2017年10月27日 10:21
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