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2016年06月01日

第324回:“To make the world more open and connected.” ―「世界をもっとオープンにつなげる」(フェイスブック)

こんにちは! ジム佐伯です。
英語の名言・格言やちょっといい言葉、日常会話でよく使う表現などをご紹介しています。



第324回の今日はこの言葉です。
“To make the world more open and connected.”
「世界をもっとオープンにつなげる」
という意味です。
これは、ソーシャルメディアの一つフェイスブック(Faebook)が「ミッション(使命, Mission)」として掲げている言葉です。
前々回前回と、ソーシャルメディアの危険性や自撮りの危険性について書いてきました。
今回は、ソーシャルメディアの代表格であるフェイスブック(Facebook)に関する言葉です。

0324-facebook_icon.jpg
By User:ZyMOS [Public domain], via Wikimedia Commons

フェイスブックは2004年2月にハーバード大学(Harvard University)に在籍中だったマーク・ザッカーバーグ(Mark Elliot Zuckerberg, 1984-)によって設立されます。
歯科医の父親と精神科医の母親のもとに生まれたザッカーバーグはアメリカ有数の名門ボーディング・スクールである全寮制のフィリップス・エクセター・アカデミー(Phillips Exeter Academy)を経てハーバード大学に入学します。

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マーク・ザッカーバーグ(2011年撮影)
By Guillaume Paumier (Own work) [CC BY 3.0], via Wikimedia Commons

ハーバード大学では一般的にフェイスブック(Face book)と呼ばれる顔写真付きの名簿がなく、ザッカーバーグや友人たちは不満を感じていました。
そこでザッカーバーグは大学のサーバに不正アクセスして女子学生の顔写真などの個人情報を入手し、ついでにそれを並べてネット上で勝ち抜き投票させる「フェイスマッシュ(Facemash.com)」を立ち上げます。2003年10月のことです。このサイトは短時間でものすごいアクセスを集めますがすぐに大学のシステム管理者にもばれて4時間で閉鎖され、ザッカーバーグのネットアクセスは無効にされます。このことは大学内で問題になり、ザッカーバーグはハーバード大学の半年間の保護観察処分を受けることになります。

0324-markzuckerberg.jpg
学生時代のザッカーバーグ(2005年撮影)
By Elaine Chan and Priscilla Chan [CC BY 2.5], via Wikimedia Commons

2004年の1月にザッカーバーグはハーバード大学の学生が交流をはかるために顔写真と個人情報を実名で登録して共有できる「ザ・フェイスブック(Thefacebook)」というサービスのプログラミングを開始し、1ヶ月後の2月に会社を設立してサービスを開始します。
フェイスマッシュの立ち上げと閉鎖、ザ・フェイスブックのサービス開始まで、すべてザッカーバーグが19歳の時の出来事です。
このサービスは学生たちに評判となり、わずか1ヶ月でハーバード大学の半分の学生が登録します。他の大学からも使いたいという要望が相次ぎます。
同年3月にフェイスブックはスタンフォード大学とコロンビア大学とイェール大学に、その後アイビーリーグ(Ivy League)の大学とボストン大学、ニューヨーク大学、マサチューセッツ工科大学(MIT)にこのサービスを拡張します。
会社を立ち上げたザッカーバーグは大学を休学していましたが、一年後に大学を中退します。

Thefacebook.png
初期のThefacebookのユーザー登録画面(2004年)
By Source, Fair use, Link

フェイスブックはその後アメリカとカナダのすべての大学の学生に公開され、さらに高校生へサービス対象を広げます。そして2006年9月に学生以外の人たちにも一般公開されます。それ以来、有効なメールアドレスを持っている13歳以上のすべての人が利用できるようになります。
それまで匿名が原則だったネットの世界に実名と顔写真を導入したインパクトは大きく、このサービスは瞬く間に利用者を伸ばし、フェイスブックはソーシャル・ネットワーク・サービスの代表格となります。

Facebook (login, signup page).jpg
現在のフェイスブックのユーザー登録画面(2014年3月)
By Immediate source: http://facebook.com, https://en.wikipedia.org/w/index.php?curid=41470417

フェイスブックのユーザー数は爆発的に増大します。
2010年にはサイトのアクセス数がGoogleを抜き話題となります。
2010年から2012年にかけてアラブ世界に多発した「アラブの春(Arab Spring)」と総称される大規模な反政府デモの拡大にも、ツイッター(twitter)と共にフェイスブックが大きな役割を果たしたと言われています。
2011年9月には世界で8億人のユーザーがいる世界最大のソーシャルメディアとなります。
2012年9月にはユーザー数は10億人を超えたと言われます。

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エジプト革命でフェイスブックの使用を呼びかけるプラカード(2011年撮影)
ツイッターのハッシュタグも書かれている
By Essam Sharaf (Own work) [CC BY-SA 3.0 or GFDL], via Wikimedia Commons

そんなフェイスブックがミッションとして掲げるのが今日の言葉です。
“To make the world more open and connected.”
「世界をもっとオープンにつなげる」
これはまさにザッカーバーグが学生の頃から目指していた世界なのです。

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【参考】“Mark Zuckerberg At IIT Delhi”, by Faez Mahdi, SD Asia, November 1, 2015

フェイスブックはユーザー数の拡大と共にビジネスとしても成長します。
ザッカーバーグは2010年に経済誌「フォーブス(Forbs)」が発表した「世界で最も若い10人の億万長者」の第1位に当時25歳の最年少でランクインします。総資産額は約40億ドルと推定されます。
翌2011年3月に「フォーブス」が発表した世界長者番付でザッカーバーグは52位にランクインします。推定総資産額は135億ドル(約1兆1,475億円)。短期間で驚くべき上昇です。
フェイスブックは2012年5月にNASDAQへ上場します。

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フェイスブック上場時の電光看板(2012年撮影)
「ナスダックはフェイスブックを歓迎します」
By ProducerMatthew (Own work) [CC BY-SA 3.0], via Wikimedia Commons

ドキュメンタリー映画『ソーシャル・ネットワーク(The Social Network)』(2010年アメリカ)では、学生時代のザッカーバーグがフェイスブックを立ち上げるまでのエピソードが描かれます。
今では立派なことを言っているザッカーバーグですが、学生時代は女の子と知り合うのに必死なごく普通の若者で、リア充からはほど遠い、あまりイケていない若者だったのが面白いです。今日の言葉としてご紹介したフェイスブックのミッションも、元々は女の子と交流したいというザッカーバーグの下心から来ているのだということがよくわかる映画です。


【動画】“The Social Network Official Trailer -In theatres Oct 1 2010 (『ソーシャル・ネットワーク』公式予告編 - 2010年10月1日劇場公開)”, by Sony Pictures Entertainment, YouTube, 2010/07/16

ザッカーバーグはハーバード大学在学時に知り合ったプリシラ・チャン(Priscilla Chan)と2012年に結婚します。そして2015年に待望の長女マックスが誕生します。
ザッカーバーグは育児休業を取得したり、フェイスブックの株式の99%(約5兆5000億円相当)を慈善事業に寄付すると発表したりと話題になります。

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ザッカーバーグと妻プリシラと長女マックス(2016年)
By Mustafalive (Own Work) [CC BY-SA 4.0], via Wikimedia Commons

ただ、フェイスブックは必ずしもよいことばかりではありません。
前々回ご紹介したように、フェイスブックをはじめとするソーシャルメディアの使用はうつ病を引き起こすリスクを上昇させるとの研究結果も出ています。
成功している他人の充実した生活を見ることで自分が充実していないと感じてしまうのです。
ソーシャルメディアに投稿するためにレストランに行ったり旅行をしたりと、本末転倒な生活を送る人も出始めているようです。
プライバシーを公開することの危険性や、個人情報が別の用途に使われたりという情報セキュリティ上の不安も語られています。



“To make the world more open and connected.”
世界をもっとオープンにつなげる。

誰もが情報を共有してオープンにつながる世界をめざしたザッカーバーグ。
そのオープン性が受けてあっという間に膨大なユーザーを獲得したフェイスブック。
2016年1月の発表では、ユーザー数は世界で15億9000万人を超えたそうです。
華やかな成功の裏側で、利用者の幸福感やプライバシーの侵害、個人情報の不正利用などに関する深刻な問題点も懸念されています。
便利で楽しいソーシャルメディアですが、使い方と使いすぎには十分注意しましょう。



それでは今日はこのへんで。
またお会いしましょう! ジム佐伯でした。

【関連記事】第322回:“Social media is associated with depression.” ―「ソーシャルメディアはうつ病に結びつく」(ピッツバーグ大学), ジム佐伯のEnglish Maxims, 2016年05月28日
【関連記事】第323回:“Selfies have killed more people than sharks.” ―「自撮りはサメより多くの人を殺してきた」(新聞記事), ジム佐伯のEnglish Maxims, 2016年05月30日

【参考】Wikipedia(日本語版英語版
【参考】“At Last -- The Full Story Of How Facebook Was Founded (「とうとう...」 --フェイスブックはどのように設立されたかの全ストーリー)”, by Nicholas Carlson, Business Insider, MAR. 5, 2010
【参考】“Facebook・ザッカーバーグCEOの育児休暇取得は、なぜ女性にとって朗報なのか”, by Emily Peck, The Huffington Post, 2015年11月29日
【参考】“男前ザッカーバーグ「5兆円寄付」の仰天スキームと秘めたる志=冷泉彰彦”, by MONEY VOICE編集部, MONEY VOICE, 2015年12月13日
【参考】“Facebook、ユーザー15.9億人、売上58億ドルでアナリストの予測を粉砕”, by Josh Constine, TechCrunch, 2016年1月28日
【参考】“育休してたザッカーバーグ氏の「シンプルすぎるワードローブ」がすごい。”, by Emily Peck, The Huffington Post, 2016年01月29日

【動画】“The Social Network Official Trailer -In theatres Oct 1 2010 (『ソーシャル・ネットワーク』公式予告編 - 2010年10月1日劇場公開)”, by Sony Pictures Entertainment, YouTube, 2010/07/16



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posted by ジム佐伯 at 07:00 | ロンドン ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 情報社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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