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2016年03月14日

第292回:“Everything you can imagine is real.” ―「想像できることはすべて現実なのだ」 (パブロ・ピカソ)

こんにちは! ジム佐伯です。
英語の名言・格言やちょっといい言葉、日常会話でよく使う表現などをご紹介しています。



第292回の今日はこの言葉です。
“Everything you can imagine is real.”
「想像できることはすべて現実なのだ」
という意味です。
これは、スペイン出身の画家パブロ・ピカソ(Pablo Picasso, 1881-1973)の言葉です。
洗礼名も含めたピカソの本名はパブロ・ディエゴ・ホセ・フランシスコ・デ・パウラ・ファン・ネポムセーノ・マリーア・デ・ロス・レメディオス・クリスピアーノ・デ・ラ・サンティシマ・トリニダード・ルイス・ピカソ(Pablo Diego Jose Francisco de Paula Juan Nepomuceno Maria de los Remedios Crispiano de la Santisima Trinidad Ruiz Picasso)というのだそうです。長いですね。

0292-pablo_picasso.jpg
パブロ・ピカソ
By Argentina. Revista Vea y Lea [Public domain], via Wikimedia Commons

パブロ・ピカソは1881年にスペイン南部にある地中海に面した港町マラガに生まれます。父親は美術教師でした。
ピカソは10歳の頃にスペイン北部のア・コルーニャにある美術学校に通い始め、14歳の頃にバルセロナの美術学校に入学します。
1897年、16歳の頃に描いた絵がマドリードで開かれたスペインの国展で佳作を、マラガの地方展で金賞を受賞します。
また同年マドリードの王立サン・フェルナンド美術アカデミーに入学しますが、学校で絵を学ぶことは無意味だとして中退し、プラド美術館に通ってベラスケスなどの名画を模写するなどして絵画の道を進みます。
その後バルセロナやパリを行き来して、1901年にパリで初の個展を開きます。ピカソが20歳の頃です。
この頃からピカソの絵画は青を基調としたものが多くなります。「青の時代(Blue Period)」です。


『生(La Vie)』(1903年)
クリーブランド美術館(Cleveland Museum of Art)蔵
(「青の時代」を代表する作品)
The Art Wall Pablo Picasso La Vie 12 by 16-Inch Rolled Canvas Print with 2-Inch White Accent Border by Art Wall [並行輸入品]

1904年にピカソはパリへ移り住み、モンマルトルで暮らし始めます。
この頃からピカソはバラ色を基調とした女性やピエロ、俳優などの人物像を多く描くようになります。「バラ色の時代(Rose Period)」です。
「バラ色」といっても極彩色ではなく、落ち着いた色合いの作品たちです。

0292-pablo_picasso_1904_paris_photo.jpg
23歳の頃のピカソ(1904年頃撮影)
By Ricard Canals i Llambí (Photo (C) RMN-Grand Palais) [Public domain], via Wikimedia Commons


『パイプを持つ少年(Garçon à la pipe)』(1905年)、個人蔵
(「バラ色の時代」を代表する作品)
Boy with a Pipe [1905] By Spanish painter Pablo Picasso Reproduction Canvas Prints -20h x 16w" by Canva Champ [並行輸入品]

1907年、ピカソは女性5人を描いた「アビニヨンの娘たち」を制作します。アフリカ彫刻に影響を受けて大胆にデフォルメされたこの作品は、後の「キュビズム(Cubism)」の先駆けとなります。ピカソが26歳の頃です。


『アビニヨンの娘たち(Les Demoiselles d'Avignon)』(1907年)
ニューヨーク近代美術館(MoMA: The Museum of Modern Art, New York)蔵
(「キュビズム」の先駆けとなった作品)
(31x34) Pablo Picasso Les Demoiselles d'Avignon Art Print Poster by Poster Discount [並行輸入品]

ピカソはごく一部の画家仲間にこの作品を見せますが、評判はあまりよくありませんでした。しかしフランス生まれのジョルジュ・ブラック(Georges Braque, 1882-1963)はその重要性に気付き、自らも同様の絵画を制作して後を追い、二人は共同でキュビズムを追求することになります。
キュビズムはまさにそれまでの美術を破壊するイノベーションです。
ルネサンス以来の遠近法を放棄して、複数の視点からみた印象を再構築したり、形態を極端に単純化、抽象化したりします。

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27歳の頃のピカソ(1908年撮影)
By Anonymous (Photo (C) RMN-Grand Palais), cropped by Jim Saeki on 8 December 2015 [Public domain], via Wikimedia Commons

観衆は最初それを「醜い」と受け止め、ピカソたちは非難されます。しかしその新しさは注目を集め、次第に人々に受け入れられるようになります。二人を追随する画家も多くなります。
ピカソ自身も「キュビズムの時代」を終えた後もキュビズム的なイメージの創作を続けます。
後に時代は抽象絵画へ向かいますが、ピカソもブラックもぎりぎりのところで具象に留まります。


『ギター弾き(The guitar)』(1910年)
パリ国立近代美術館(Musée National d'Art Moderne)蔵
(「キュビズムの時代」、抽象に限りなく近づいた具象の作品)
Pablo Picasso, titulo : The guitar , LITHOGRAPHY OF MODERN TECNIQUE 38x28 cmts press 31x23 cmts. PAPER BFK FRANCE (WATERMARK) edition 150 Numered pencil signed pr. ???/150

10年ほど様々なキュビズムの作品を世に送り出したピカソは、30歳台後半から40歳台前半にかけて新古典主義の絵画を参照・模倣して人物像を多く描きます。この10年は「新古典主義の時代(Neo-Classicism Period)」といわれます。


パリのピカソ美術館(Musée Picasso)蔵
(「新古典主義の時代」を代表する絵画)
Posters: Pablo Picasso Poster Art Print - Two Women Running On The Beach (12 x 9 inches) by 1art1 [並行輸入品]

さらにその後の10年、40歳台後半から50歳台前半にかけて、ピカソは化け物のようなイメージを好んで描くようになります。「シュールレアリズムの時代(Surrealism Period)」と呼ばれます。


『泣く女(Weeping Woman)』(1937年)
ロンドンのテート・ギャラリー(Tate Gallery)蔵
(「シュールレアリズムの時代」を代表し、「ゲルニカ」にもつながる絵画)
The Art Wall Pablo Picasso Weeping Woman 12 by 16-Inch Rolled Canvas Print with 2-Inch White Accent Border by Art Wall [並行輸入品]

そして1937年、スペイン内戦にドイツが軍事介入してゲルニカを無差別爆撃し、多くの市民が亡くなります。
ピカソは『泣く女』も100種類以上描くと共に、スペイン軍部への嫌悪の意味を込めてゲルニカ爆撃を描いた大作『ゲルニカ』を制作します。

PicassoGuernica.jpg
『ゲルニカ(Guernica)』(1937年)
マドリードのソフィア王妃芸術センター(Museo Nacional Centro de Arte Reina Sofía)蔵
By PICASSO, la exposición del Reina-Prado. Guernica is in the collection of Museo Reina Sofia, Madrid.
Source page: http://www.picassotradicionyvanguardia.com/08R.php (archive.org), Fair use, https://en.wikipedia.org/w/index.php?curid=1683114


その後もピカソは意欲的に創作活動を続けます。
1950年代には、バロック期のスペインの画家ディエゴ・ベラスケスの名画『ラス・メニーナス(Las Meninas)』をアレンジした連作を量産します。
僕はマドリードのプラド美術館でベラスケスの『ラス・メニーナス』を見た後に、バルセロナのピカソ美術館でピカソの『ラス・メニーナス』の連作を見たのですが、とにかく衝撃的な面白さでした。一部屋どころか3部屋のほとんどがピカソ版に自由にアレンジされた『ラス・メニーナス』で埋め尽くされているのです。

0292-museu_picasso_barcelona.jpg
バルセロナのピカソ美術館(Museu Picasso)
By No machine-readable author provided. 1997 assumed (based on copyright claims). [GFDL or CC-BY-SA-3.0], via Wikimedia Commons

1973年、ピカソは南仏ニースの近くにあるムージャンの自宅で亡くなります。91歳でした。
生涯に実に1万3500点の油絵と素描、10万点の版画、3万4000点の挿絵、300点の彫刻と陶器を制作しました。
最も多作な美術家であると『ギネスブック』にも記されています。


【動画】“Picasso at work (ピカソの制作現場)”, by HistoMephistix, YouTube, 2011/12/27

“Everything you can imagine is real.”
想像できることはすべて現実なのだ。
この言葉は、若き日のピカソが通ってベラスケスなどの名画を模写して芸術を学んだマドリードのプラド美術館(Museo National del Prado)のプロモーション動画(下記)の締めの言葉としても登場します。
この動画、センスがよくてとにかく格好いい、とても素敵な映像です。一見の価値ありますよ。
スペインが誇るプラド美術館が、世界の至宝でもあることがよくわかります。

0292-museo_del_prado_(madrid)_04.jpg
プラド美術館
Brian Snelson [CC BY 2.0], via Wikimedia Commons

この動画には、想像力つながりで次の言葉も登場します。
“Imagination rules the world.”
「想像力は世界を支配する」
これまた格好いい言葉です。
これはフランスの皇帝となったナポレオン(Napoléon)の言葉とされています。
芸術だけでなく、軍事や政治、そしてビジネスでも想像力は大切なのです。

0292-napoleon_crossing_the_alps.jpg
第二次イタリア遠征でアルプス越えを指揮するナポレオン
Jacques-Louis David, 1801 [Public domain], via Wikimedia Commons

“Everything you can imagine is real.”
想像できることはすべて現実なのだ。

ピカソの旺盛な制作意欲が伝わってくる言葉ですね。
その果てしない想像力で絵画の新しい地平を切り開いたピカソ。
彼の作品は今も多くの人の心をとらえています。
僕たちも想像の翼を広げて、夢を現実にしたいものです。


【動画】“Welcome. Museo Nacional del Prado (ようこそ。プラド美術館)”, by Museo Nacional del Prado, YouTube, 2014/07/17

それでは今日はこのへんで。
またお会いしましょう! ジム佐伯でした。

【関連記事】第6回:“Anything one man can imagine, other men can make real.”―「人が想像できることは、必ず人が実現できる。」(ジュール・ヴェルヌ), ジム佐伯のEnglish Maxims, 2013年04月28日
【関連記事】第88回:“The word impossible is not French.”―「余の辞書に不可能はない」(ナポレオン), ジム佐伯のEnglish Maxims, 2013年09月08日

【参考】Wikipedia(日本語版英語版

【動画】“Picasso at work (ピカソの制作現場)”, by HistoMephistix, YouTube, 2011/12/27
【動画】“Welcome. Museo Nacional del Prado (ようこそ。プラド美術館)”, by Museo Nacional del Prado, YouTube, 2014/07/17

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posted by ジム佐伯 at 07:00 | ロンドン 🌁 | Comment(0) | TrackBack(0) | 美術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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