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2016年03月02日

第287回:“March comes in like a lion.” ―「3月はライオンのようにやってくる」 (ことわざ)

こんにちは! ジム佐伯です。
英語の名言・格言やちょっといい言葉、日常会話でよく使う表現などをご紹介しています。

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By Euro-t-guide.com (Own work) [GFDL, CC-BY-SA-3.0 or CC BY-SA 2.5-2.0-1.0], via Wikimedia Commons

第287回の今日はこの言葉です。
“March comes in like a lion.”
「3月はライオンのようにやってくる」
という意味です。
この言葉はイギリスのことわざです。そういえばことわざをご紹介するのはすごい久しぶりですね。
このことわざ、短いですが続きがあります。
“March comes in like a lion and goes out like a lamb.”
というものです。文字通りには、
「3月はライオンのようにやってきて子羊のように去っていく」
となります。
「3月はライオンのように荒々しい天気で始まり、子羊のように穏やかな天気で終わる」
という意味がこめられています。

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Image courtesy of samuiblue / FreeDigitalPhotos.net

この感覚は日本でもわりとあてはまりますよね。3月の初めはまだ春になりきっておらず、春一番で嵐になったり、寒の戻りで寒くなったり、時には雪が降ったりします。しかし「寒さ暑さも彼岸まで」ということわざにもありますが、春分の日のお彼岸を過ぎるとだいぶ気候も安定して、暖かくおだやかな日が多くなります。
イギリスもそうです。イギリスは樺太並みに高緯度ですが、暖流と偏西風の影響で冬はわりと温暖です。しかし3月の初めはやはり天気が不安定で、急な寒さや嵐などが多いです。一方で3月の終わりはおだやかな日が多くなります。
もちろん地域によっても異なりますが、一般的に3月の気候をよく表した言葉として使われます。

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By Greg Hume (Own work) [CC BY-SA 3.0], via Wikimedia Commons

「3月のライオン」と言えば、春に咲くタンポポもライオンと関係があります。
タンポポの英語名“dandelion”(ダンデライオン)の語源はフランス語の“dent-de-lion”(ダン・ド・リオン)、「ライオンの歯」という意味です。
タンポポのギザギザの葉をライオンの歯に例えているのです。
そういえばタンポポの花の色や形もなんとなくライオンの顔に似ていますね。

0287-taxicumleaf.jpg
By Greg Hume (Own work) [CC BY-SA 3.0], via Wikimedia Commons

「3月のライオン」の言葉、星の動きとも関係があるとも言われています。
3月初めには、日没後に獅子しし座(Leo)が東の地平線に現れ、ライオンが春の訪れを告げます。
そして3月の終わりには、牡羊おひつじ座(Aries)が西の地平線に沈んで行くのです。

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獅子座
By Leo_constellation_map.png: Torsten Bronger. derivative work: Kxx (Leo_constellation_map.png) [CC-BY-SA-3.0 or GFDL], via Wikimedia Commons

この言葉が文献に登場するのは17〜18世紀のイングランドの医師トーマス・フラー(Thomas Fuller, 1654-1734)の著作です。彼が1732年に発表した『グノモロジア(Gnomologia: Adagies and Proverbs; Wise Sentences and Witty Sayings, Ancient and Modern, Foreign and British)』ということわざ集に、
“Comes in like a Lion, goes out like a Lamb.”
「ライオンのように来て、子羊のように去る」
という表現が収録されています。
このことわざ集にはほかにも、
“So many mists in March you see
 So many frosts in May will be.”

「3月には多くの霧の日があり、
 5月には多くの霜となる」
(逆のような気もしますが...)
“A Peck of March-Dust, and a Shower in May
 Makes the Corn green, and the Fields gay.”

「3月の砂ぼこりと5月の雨のおかげで、
 トウモロコシは緑となり野原は陽気になる」
などの今は失われたことわざが多く収録されていて、とても興味深いです。

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トーマス・フラー
By J. Tymewell (http://ihm.nlm.nih.gov/images/B12484) [Public domain], via Wikimedia Commons

このブログを始めた当初にも、
“April showers bring May flowers.”
「四月の雨が五月の花をもたらす」
“March winds and April showers bring May flowers.”
「三月の風と四月の雨が五月の花をもたらす
」という春の天気のことわざをご紹介しましたよね。
春の訪れでは天気が荒れるけれども、いずれはよい気候になり、作物が育つという点では同じことを言っていますね。

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Image courtesy of CNaene / FreeDigitalPhotos.net

“March comes in like a lion.”
3月はライオンのようにやってくる。

今年も3月がやってきました。
進学や就職、転勤などで人生の節目でもあり、別れの季節でもある3月。
ライオンのように荒れる天気の日もあることでしょう。
しかし春はすぐそこです。
3月が子羊のように去る頃には、桜の花も咲くことでしょう。

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By Keven Law, Los Angeles, USA [CC BY-SA 2.0], via Wikimedia Commons

それでは今日はこのへんで。
またお会いしましょう! ジム佐伯でした。

【関連記事】第2回:“April showers bring May flowers.”―「四月の雨が五月の花をもたらす」(ことわざ), ジム佐伯のEnglish Maxims, 2013年04月24日

【参考】Wikipedia(日本語版英語版
【参考】“Folk Wisdom (民衆の知恵)”, by Sadie Stein, The Paris Review, March 2, 2015
【参考】“Weatherwatch: Spring comes in like a lion, goes out like a lamb (ウェザーウォッチ:春はライオンのようにやってきて子羊のように去る)”, by David Hambling, Weatherwatch, The Guardian, Friday 9 March 2012
【参考】“タンポポのなまえの由来”, タンポポの観察

タグ:ことわざ
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posted by ジム佐伯 at 07:00 | ロンドン | Comment(0) | TrackBack(0) | ことわざ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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