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2016年02月20日

第285回:“You're fired!” ―「お前はクビだ!」 (ドナルド・トランプ)

こんにちは! ジム佐伯です。
英語の名言・格言やちょっといい言葉、日常会話でよく使う表現などをご紹介しています。



第285回の今日はこの言葉です。
“You're fired!”
“fire”とは「解雇する」という意味がある動詞です。
「お前はクビだ!」
という意味です。
日常的というか、一般的に使われる言葉ですが、あるテレビ番組で決めゼリフとして使われて話題となった言葉です。
これは、アメリカの実業家ドナルド・トランプ(Donald John Trump, 1946-)の言葉です。
アメリカの大統領選挙に立候補して、今も快進撃しているあのトランプです。

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ドナルド・トランプ(2015年撮影)
By Michael Vadon [CC BY-SA 2.0], via Wikimedia Commons

この言葉はNBCの『アプレンティス(The Apprentice)』というリアリティ・ショーの番組で使われました。
“Apprentice”とは「見習い」という意味です。応募者の中から選ばれた十数名の参加者がドナルド・トランプの会社で「アプレンティス(見習い)」として働き、本採用を目指すという番組です。
トランプは様々な課題を参加者に与え、参加者は個人やグループでそれに取り組みます。
そして最後に全員をボードルームに集め、トランプが脱落者を発表するのです。そこでの決めゼリフが今日の言葉です。
“You are fired!”
「お前はクビだ!」
トランプのキャラクターにぴったり合った名言だと思います。
ちなみに勝ち残った勝者は、
“You are hired!”
「お前は採用だ!」「君を採用しよう!」
と言われます。


【動画】“The Apprentice U.S. - BEST FIRINGS (Part 1) (『アプレンティス』(アメリカ) - ベスト解雇集 (Part 1))”, by Andrew Smithson, YouTube, 2013/04/06

ぜんぜん関係ありませんが、僕はこの言葉を聞くとアーノルド・シュワルツェネッガーの主演映画『トゥルーライズ(True Lies)』(1994年アメリカ)を思い出します。
テロリストと戦うシュワルツェネッガーのセリフとして登場します。
“fire”には「解雇する」以外にも火器などを「発砲する」「発射する」という意味があります。シュワルツェネッガーは「お前はクビだ」と「お前を発射する」という意味をかけてこの言葉を使います。
ひどいネタバレなのでこれ以上書きませんし、動画も載せません。とても面白い映画ですので、未見の方はぜひご覧になって下さい。


トゥルーライズ [DVD]

さて、話をドナルド・トランプに戻します。
ドナルド・トランプは1946年にニューヨークのクイーンズで生まれます。父親は不動産業を営んでおり、裕福な家庭に育ちます。トランプは陸軍幼年学校の一つであるニューヨーク・ミリタリー・アカデミー(New York Military Academy)に入り、ペンシルベニア大学を卒業後に同大学のウォートン・スクール(The Wharton School of the University of Pennsylvania)という名門ビジネススクールでMBAを取得します。

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18歳の頃のトランプ
By Seth Poppel/Yearbook Library [Public domain], via Wikimedia Commons

トランプは1971年に父親の不動産会社に入社し、大規模な投資を活かした豪華な概観と内装を備えた建築で業績を伸ばして有名になります。
1983年にはマンハッタンの5番街(Fifth Avenue)に建設された高級アパートメント(日本で言う高級賃貸マンション)と商業エリアの複合施設「トランプ・タワー(Trump Tower)」はニューヨークの名所の一つとなり、数多くの有名人が居住します。

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トランプ・タワー
By Urban (Own work) [GFDL or CC-BY-SA-3.0], via Wikimedia Commons

1988年にトランプはニュージャージー州のリゾート地アトランティック・シティのカジノ「タージマハール(Taj Mahal)」を買収します。さらにイースタン航空を買収して「トランプ・シャトル(Trump Shuttle)」という航空会社を立ち上げます。しかし不動産不況の中でいくつかの子会社が倒産した上に、累積債務がかさんでトランプは1991年に破産します。
しかし銀行は債権回収のために事業の継続を望みます。トランプは50%の持ち分でカジノ「トランプ・タージマハール(Trump Taj Mahal)」を開業して軌道に乗せます。
航空会社「トランプ・シャトル」や豪華大型ヨット「トランプ・プリンセス(Trump Princess)」も売却します。
その結果トランプは事業のリストラに成功し、奇跡的に復活を果たします。

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トランプ・タージマハール
B64 at en.wikipedia [CC BY-SA 3.0 or GFDL], from Wikimedia Commons

2001年、ニューヨークの国連本部の向かいに72階建ての超高層アパートメント「トランプ・ワールド・タワー(Trump World Tower)」が完成します。
2007年のいわゆる「サブプライム問題」に続いた不況の影響で、トランプの経営する会社の一つ「トランプ・エンターテイメント・リゾーツ社」が連邦倒産法第11章、いわゆる「チャプター・イレブン(Chapter 11)」の適用をうけて倒産します。
しかしトランプはその後も強気の経営を続けます。シカゴで2005年に着工した92階建ての高層ビル、「トランプ・インターナショナル・ホテル・アンド・タワー(Trump International Hotel and Tower)」は2009年に完成します。
トランプは今でも各地で高級アパートやカジノ、ホテルなどを多数所有・経営しており、「不動産王」の座に君臨しています。

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トランプ・インターナショナル・ホテル・アンド・タワー
By Daderot (Daderot) [CC0], via Wikimedia Commons

2015年にフォーブズ誌(Forbes)はトランプの資産を40億ドル(約5000億円)と試算します。2016年2月現在、45億ドルと試算されています。
ものすごいお金持ちですね。
自家用ジェットもすごいですよ。普通自家用ジェットといえばガルフストリームなどの小型ジェット機を想像しますが、トランプは普通なら200〜300人は乗れるボーイング757を自家用機として使っています。内装も超豪華で、大きなソファーやベッドなどを備えています。大統領専用機「エアフォース・ワン(Airforce One)」をもじって「トランプ・フォース・ワン(Trump Force One)」という名前までつけちゃってます。


【動画】“WPDE's inside look at Donald Trump's private jet (WPDEのインサイド・ルック:ドナルド・トランプの自家用ジェット機)”, by WPDE ABC15, YouTube, 2015/01/19

また、2015年のビジネス・インサイダー誌(Business Insider)はトランプから入手した財務資料から彼の資産額は87億ドル(約1兆円)と推定しています。そのうち33億ドルはトランプ名義のライセンス料やキャラクター使用料なのだそうです。不動産にトランプの名をつけると価値が上がります。ネクタイやウォッカなどの商品にもトランプ名義をライセンスしています。トランプは今やブランドなのです。

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【参考】“Donald J. Trump Collection”

トランプはメディアにも積極的に登場します。
リアリティショーの『アプレンティス』以外にもさまざまなテレビ番組に出演しています。これによって知名度を上げてホテルやカジノへの集客を図るだけでなく、本人もそういうのが好きで、楽しんでやっているように見えます。Wikipediaでは
「自己顕示欲を満たすことも兼ねていると言われている。」
と硬い表現で書かれていますが、まあ単に「好き」「出たがり」なんでしょうね。
見た目のインパクトも強く、髪型も独特で、見ていると半端ない違和感が伝わって来ます。
メディアもそのあたりわかっていて、「変な髪型の頑固親父キャラ」として重宝して使っているように感じられます。
『セサミ・ストリート(Sesami Street)』でオスカーが演じる「ドナルド・グランプ」として登場したり、『ザ・シンプソンズ(The Simpsons)』でもアニメキャラとして登場したりもしています。


【動画】“Sesame Street's Trump puppet parody makes fun of the poor”, by Alex, YouTube, 2015/09/07


【動画】“Trumptastic Voyage | Season 25 | THE SIMPSONS (『トランプの決死圏』 - シンプソンズ シーズン25)”, by Animation on FOX, YouTube, 2015/07/07

そんなトランプが、今やアメリカの大統領選を戦っています。びっくりです。
トランプは1987年以前と2001年から2009年にかけては民主党員でした。
1993年から2001年まで大統領を務めたビル・クリントン(William Jefferson "Bill" Clinton, 1946-)にも巨額の献金を行っていたそうです。
2000年に行われたクリントンの後任をめぐる大統領選では、トランプはロス・ペロー(Henry Ross Perot, 1930-)が立ち上げたアメリカ改革党(American Reform Party)の予備選に出馬します。しかしパット・ブキャナン(Patrick Joseph "Pat" Buchanan, 1938-)を破ることができず、途中で断念します。この年の大統領戦は大接戦となり、得票数で勝ったアル・ゴア(Albert Arnold "Al" Gore, Jr., 1948-)が選挙人数で勝ったジョージ・W・ブッシュ(George Walker Bush, 1946-)(息子の方)に敗れます。一時は開票作業のやり直しをするなど大混乱となった選挙です。


The America We Deserve
(2000年当時のトランプ)

2011年、トランプはバラク・オバマ大統領(Barack Hussein Obama II, 1961-)がハワイ生まれではなくケニアの生まれで、大統領になる資格がないのではないかという陰謀論を蒸し返し、一部で論争を巻き起こします。
同年4月、大統領選の共和党候補として、トランプはミット・ロムニー(Willard Mitt Romney, 1947-)に次いで2位の支持率を獲得します。トランプは何度か予備選挙に出馬するそぶりをみせてメディアに「ネタ」として取り上げられます。しかし結局、不出馬となります。

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2011年当時のトランプ
By Gage Skidmore from Peoria, AZ, United States of America (Flickr) [CC BY-SA 2.0], via Wikimedia Commons

そして2015年、トランプは共和党から大統領選に出馬することを表明します。
トランプの選挙スローガンは、
“Make America great again”
「アメリカを再び偉大にしよう」
です。

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トランプの選挙用ロゴマーク
By Donald J. Trump for President (www.donaldjtrump.com) [Public domain], via Wikimedia Commons

共和党の指名争いには17人が出馬を表明し、現在6人が有力候補とされています。
テキサス州の上院議員テッド・クルーズ(Rafael Edward "Ted" Cruz, 1970-)やフロリダ州上院議員のマルコ・ルビオ(Marco Antonio Rubio, 1971-)、元フロリダ州知事のジェブ・ブッシュ(John Ellis "Jeb" Bush, 1953-)などが有力視されています。ジェブ・ブッシュは当初は本命とも思われていましたが、かなり苦戦しています。

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ジェブ・ブッシュ
Gage Skidmore [CC BY-SA 2.0], via Wikimedia Commons

最初は泡沫候補と見られていたトランプはその知名度と過激な発言でみるみるうちに話題となり、今や共和党の1、2位を争う支持率を獲得しています。快進撃は最初だけで、そのうち失速するだろうとずっと言われてきましたが、なかなかどうして、予想外にしぶとく生き残っています。特に保守的な労働者層からの支持が厚く、予備選挙を勝ち抜く可能性も出てきています。


【動画】“Donald Trump FULL SPEECH: 2016 Presidential Campaign Announcement June 16 at Trump Tower, New York (ドナルド・トランプ スピーチ全文:2016年大統領選出馬表明 6/16 ニューヨークのトランプ・タワーにて)”, by Andrew Ward, YouTube, 2015/08/14

しかし発言が過激すぎて、中には眉をひそめてしまうような失言・暴言もあります。ポピュリズムだと批判もされています。
“If Hillary Clinton can't satisfy her husband what makes her think she can satisfy America?”
「ヒラリー・クリントンが夫を満足させられないなら、アメリカを満足させられるわけがないだろう」
(2015年4月25日のtwitterでのツイート。のち削除)
“They're bringing drugs. They're bringing crime. They're rapists.”
「彼らは薬物を持ち込んでいる。犯罪を持ち込んでいる。彼らは婦女暴行犯だ。」
(2015年6月16日のトランプ・タワーでの演説)
メキシコからの不法移民をさして言った言葉。
“Get rid of gun free zones.”
「銃器所有禁止区域なんてやめちまえ」
(2015年7月17日のtwitterでのツイート)
“I think the big problem this country has is being politically correct.”
「この国の大問題は、政治的に正しくあれという姿勢だ」
(2015年8月6日、共和党大統領討論、ワシントン・ポスト紙より)
“Hillary Clinton was the worst Secretary of State in the history of the country.”
「ヒラリー・クリントンはこの国で最悪の国務長官だった。」
(2015年8月20日、タイム誌)
“I will rebuild our military. It will be so strong and so powerful and so great that we'll never have to use it.”
「この国の軍隊を再建する。頑健で精強で卓越した軍にすれば武力を行使せずに済む。」
“You know the middle class built this country, not the hedge fund guys.”
「知っての通りこの国を支えているのは中産階級だ。ヘッジファンド野郎なんかじゃない。」
(2015年8月25日、ブルームバーグ誌)
“If Japan gets attacked, we have to immediately go to their aid. If we get attacked, Japan doesn’t have to help us. That’s a fair deal?”
「もし日本が攻撃されたらわが国は直ちに助けに行く。もしわが国が攻撃されたら、日本は助けなくてもよい。これはフェアと言えるかね。」
(2015年8月26日、Japan Times)
“The first thing I'd do in my first day as president is close up our borders so that illegal immigrants cannot come into our country.”
「私が大統領になったら初日にまずやるべきことは、不法移民が入ってこれないように国境を封鎖することだ。」
(2015年9月25日, The Hills)
“Watch and study the mosques, because a lot of talk is going on at the mosques.”
「モスクに注意して監視しよう。そこでは多くの会話がなされているから。」
(2015年11月16日, CNN)
“They've created ISIS. Hillary Clinton created ISIS with Obama.”
「ISISを作ったのは彼らだ。ヒラリー・クリントンがオバマと一緒にISISを作ったのさ。」
(2016年1月3日、Business Insider誌)
“Mexico is going to be the new China because what they're doing to us is unbelievable”
「メキシコは新たな中国になろうとしている。かれらは我々に信じられないことをしているからだ。」
(2016年1月9日、CBS News)
“Our military is a disaster. Our healthcare is a horror show. Obamacare, we're going to repeal it and replace it.”
「我々の軍隊は大災害だ。我々の医療はホラーショーだ。オバマケアなんて、何度も同じことを繰り返してるばかりだ。」
(2016年1月14日, Time誌)
“We're going to protect Christianity, and I can say that. I don't have to be politically correct. We're going to protect it.”
「我々はキリスト教を守る。私は断言する。私は政治的に正しくある必要はない。我々は守るのだ。」
“If I'm president, you're going to see 'Merry Christmas' in department stores, believe me.”
「私が大統領になったらデパートの『メリークリスマス』を復活させる。信じなさい。」
(2016年1月16日、C-Span)


崩壊するアメリカ ~トランプ大統領で世界は発狂する! ? - 横江 公美 (著)
時には真実を突いているように聞こえる指摘もあります。そうだそうだと言いたくなるのもわかります。アメリカの現状や自分の現状に不満を持っている人が共感しやすいのです。
共和党も民主党もダメだった、共和党からはみ出しかねないトランプなら何かやってくれるかもしれないという、既存政党に幻滅した層が支持しているのです。
これは危険な傾向です。過去の独裁者も、国民の怒りや不安をあおって「民主的に」政権についた例がありますよね。
元NHKアナウンサーで参議院議員でもあった畑恵(Kei Hata, 1962-)は次のように書いています。

トランプ候補と言えば、有色人種や移民、あるいは女性などへの差別的で過激な発言でマスコミの関心を煽り大衆の支持を集めていますが、メキシコからの不法移民を防ぐため国境に「万里の長城」を築き、数百万人のメキシコ移民を強制送還すると公約。イスラム教徒の入国も全面禁止、TPPにも反対、日本や中国との貿易不均衡の徹底した是正を掲げるなど、掲げている政策は支離滅裂としか表現のしようがありません。
“トランプ氏だけでない米大統領選の危機 --- 畑 恵”, アゴラ 言論プラットフォーム, 2016年02月04日

確かに「壁」の発言は凄いですね。現代版の「万里の長城」か、『進撃の巨人』の世界です。
ここイギリスでは、トランプによる「イスラム教徒の入国禁止」の発言は「ヘイトスピーチ」だとして、トランプを英国へ入国させないようにという声が高まったため、下院で審議が始まりました。

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Gage Skidmore [CC BY-SA 3.0], via Wikimedia Commons

ヨーロッパも日本も、アメリカの有権者はこんなに馬鹿だったのかと冷ややかな目で見ています。
しかし日本も似たりよったりではないでしょうか。既存の自民党にノーをつきつけて民主党に政権を与え、民主党がズッコケたからまた自民党に圧倒多数を許します。アベノミクスに陰りがみえてきた今、次はどうするのでしょうか。
ヨーロッパもそうです。政治的には難民は助けるべきです。しかし中東の難民がこれだけ増え、ホームグローンテロの脅威も増す中で、これ以上難民や移民を受け入れられるのでしょうか。

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By Gage Skidmore from Peoria, AZ, United States of America (Donald Trump) [CC BY-SA 2.0], via Wikimedia Commons

2月1日のアイオワ州の党員集会ではテッド・クルーズが僅差でトランプを破って代議員数7を獲得しました。
しかし同9日のニューハンプシャー州の予備選ではトランプが圧勝し、代議員数10を獲得しました。
今日(2月20日)にはサウスカロライナ州で予備選が、火曜の23日にはネバダ州で党員集会が行われます。
そして3月1日の火曜日にはアラバマ州やジョージア州、テキサス州などの大票田を含んだ14の州で予備選や党員集会が行われ、大勢が決まる可能性があります。「スーパー・チューズデー(Super Tuesday)」です。
どちらが有利か、これまでの推移を見ても予想がつかない状況です。

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テッド・クルーズ
By United States Senate (Office of Senator Ted Cruz) [Public domain], via Wikimedia Commons


【2016年2月26日追記】
2月20日のサウスカロライナ州の予備選ではトランプが勝ち、代議員数50を獲得しました。
2月23日のネバダ州の党員集会でもトランプが勝ち、代議員数14を獲得しました。
トランプ破竹の3連勝です。
ジェブ・ブッシュ氏は20日の結果を受けて選挙戦の継続を断念し、撤退を表明しました。
20日の予備選で2位につけたマルコ・ルビオ氏が今後は共和党主流派の票を集めると見て、にわかに注目が集まっています。

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マルコ・ルビオ
By US Senate (Email from the Office of Senator Marco Rubio) [Public domain], via Wikimedia Commons

【参考】“ルビオ氏、主流派一本化なるか…ブッシュ票狙う”, by ワシントン=今井隆, 読売新聞, 2016年02月23日
【参考】“トランプ氏とサンダース氏、2人の勢いが止まらない15の理由”, by Howard Fineman, The Huffington Post, 2016年02月26日



一方の民主党も、本命といわれた前国務長官ヒラリー・クリントン(Hillary Rodham Clinton, 1947-)が予想外の苦戦を強いられ、バーモント州上院議員のバーニー・サンダース(Bernard "Bernie" Sanders, 1941-)が勢いを増しています。
74歳のサンダースはユダヤ系で、自らを民主社会主義者だと名乗っているアメリカ史上初の議員です。
サンダースが若者を中心に支持を伸ばしているのも、既存の政治が信頼を失いかけている証拠です。

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バーニー・サンダース
By Miller Center [CC BY 2.0], via Wikimedia Commons

2月1日のアイオワ州の党員集会ではクリントンが勝利して代議員数23を獲得しましたが、まさに薄氷の勝利でした。
2月9日のニューハンプシャー州の予備選ではサンダースが勝利して代議員数15を獲得しました。
20日の今日はネバダ州で党員集会が、来週土曜の27日はサウスカロライナ州で予備選が行われます。
そして3月1日のスーパー・チューズデーでは、アラバマ、ジョージア、テキサスを含む11州などで予備選や党員集会が行われます。
こちらも動向がまったく読めない状態になっています。

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ヒラリー・クリントン
By Hillary for Iowa [CC BY 2.0], via Wikimedia Commons

“You are fired!”
お前はクビだ!

莫大な富の持ち主である「不動産王」にして、メディアを騒がす「暴言王」であるトランプ。
僕がアメリカに住んでいた時の彼の印象は、単にテレビでよく見る変な髪形のおじさんでした。
ビジネスマンとしては(そしてテレビタレント?としては)優れているのかもしれませんが、政治家としては未知数です。
ただ、数々の発言を見る限りではアメリカという超大国を率いる指導者にふさわしいとは思えません。
一方で、ビジネスをここまで成功させたトランプなら、国の財政もなんとかしてくれるのではと期待する声もあります。
共和党と民主党の候補者選びはこれから本番です。
7月18日から21日までの共和党全国大会で、共和党の候補が決まります。
7月25日から28日までの民主党全国大会で、民主党の候補が決まります。
また、それ以外の第三、第四の党や無所属で誰かが立候補する可能性もあります。
そして11月8日には本選挙で次期大統領が決まります。
日本の将来や世界の情勢にも大きな影響を与えるアメリカ大統領選挙の行方を見守りましょう。

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By Susan Sterner [Public domain], via Wikimedia Commons

それでは今日はこのへんで。
またお会いしましょう! ジム佐伯でした。


【動画】“Donald Trump's first TV ad (ドナルド・トランプ 最初のTV広告)”, by Rappler, YouTube, Published on Jan 4, 2016

【関連記事】第131回:“Ask what you can do for your country.”―「君たちが国のために何ができるのかを問うて欲しい」(ケネディ大統領), ジム佐伯のEnglish Maxims, 2013年11月24日
【関連記事】第64回:“All persons held as slaves shall be free.”―「奴隷はすべて自由とする」(リンカーン), ジム佐伯のEnglish Maxims, 2013年07月28日
【関連記事】第130回:“My husband Ed and I are thrilled to be here in Japan.”―「日本に来れてとてもうれしいです。」(キャロライン・ケネディ駐日大使), ジム佐伯のEnglish Maxims, 2013年11月23日

【参考】Wikipedia(日本語版英語版
【参考】“Japan-U.S. security alliance not fair, Donald Trump says (日米安全保障条約はフェアじゃないとトランプが語る)”, by Jiji, Japan Times, Aug 27, 2015
【参考】“単なる「言いたい放題」ではない! - トランプ氏の老獪なメディア戦術”, by 窪田順生, DIAMOND online, 2016年1月9日
【参考】“トランプ氏だけでない米大統領選の危機 --- 畑 恵”, by 畑恵, アゴラ 言論プラットフォーム, 2016年02月04日
【参考】“世界を危険に晒すゲームに沸き立つ米国人 - 国民が熱狂する政治ショーで剥き出しにされたその本性”, by 高濱 賛, JBPress, 2016.2.16
【参考】“ローマ法王、トランプ氏「キリスト教徒でない」 移民への考え批判”, REUTERS, 2016年02月19日
【参考】“ルビオ氏、主流派一本化なるか…ブッシュ票狙う”, by ワシントン=今井隆, 読売新聞, 2016年02月23日
【参考】“トランプ氏とサンダース氏、2人の勢いが止まらない15の理由”, by Howard Fineman, The Huffington Post, 2016年02月26日

【動画】“The Apprentice U.S. - BEST FIRINGS (Part 1) (『アプレンティス』(アメリカ) - ベスト解雇集 (Part 1))”, by
Andrew Smithson, YouTube, 2013/04/06
【動画】“WPDE's inside look at Donald Trump's private jet (WPDEのインサイド・ルック:ドナルド・トランプの自家用ジェット機)”, by WPDE ABC15, YouTube, 2015/01/19
【動画】“Sesame Street's Trump puppet parody makes fun of the poor”, by Alex, YouTube, 2015/09/07
【動画】“Trumptastic Voyage | Season 25 | THE SIMPSONS (『トランプの決死圏』 - シンプソンズ シーズン25)”, by Animation on FOX, YouTube, 2015/07/07
【動画】“Donald Trump FULL SPEECH: 2016 Presidential Campaign Announcement June 16 at Trump Tower, New York (ドナルド・トランプ スピーチ全文:2016年大統領選出馬表明 6/16 ニューヨークのトランプ・タワーにて)”, by YouHotNews, YouTube, 2015/06/16
【動画】“Donald Trump's first TV ad (ドナルド・トランプ 最初のTV広告)”, by Rappler, YouTube, Published on Jan 4, 2016

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