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2015年10月18日

第248回:“Happy Halloween!”―「ハロウィンおめでとう!」(ハロウィンの挨拶)

こんにちは! ジム佐伯です。
英語の名言・格言やちょっといい言葉をご紹介しています。

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By PublicDomainPictures [CC0 Public Domain], via Pixabay

第248回の今日はこの言葉です。
“Happy Halloween!”
「楽しいハロウィンを!」
「ハロウィンおめでとう!」

という意味です。
これは毎年10月31日に行われるお祭りハロウィン(Halloween)を祝う挨拶です。
「ハッピー・ハロウィーン!」と、最後の音節にアクセントが来ます。

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By cranecrazy55 [CC0 Public Domain], via Pixabay

ハロウィンの起源は古代ケルト人にあると言われています。
ケルト人(Celts)は中央アジアの草原からヨーロッパ各地へ移住し馬と馬車をもたらしたと言われています。古代ローマ人からはゴール人(Gauls)、ラテン語で「ガリー(Gallī)」と呼ばれます。
今ではアイルランドやイギリス北部のスコットランド、イギリス西部のウェールズやコーンウォール地方、フランス北西部のブルターニュ半島などにケルト文化が色濃く残ります。アイルランド出身のエンヤ(Enya, 1961-)の楽曲はケルト音楽の影響を受けているそうです。
ケルト人の1年の終わりは10月31日。夏の終わりでもあり、冬の始まりでもあります。
この夜には死者の霊が家族を訪ねてきて、一緒に悪霊や魔女がやってくると信じられていました。ちょっと日本のお盆にも似ていますね。
人々は身を守るために仮面を被ったり、魔よけのたき火をたいたりしました。
これがハロウィンのルーツとされています。

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ケルト人の分布の変化
(黄色:紀元前6世紀ごろ、水色:紀元前3世紀ごろ、緑色:近世のケルト国家群、濃い緑色:現在もケルト系言語がよく使われている地域)
QuartierLatin1968 [GFDL, CC-BY-SA-3.0, CC BY-SA 2.5-2.0-1.0], via Wikimedia Commons

いつしか魔よけのたき火は、「ジャック・オー・ランタン(Jack-o'-Lantern)」と呼ばれるモンスターの顔の形をした提灯となりました。「ジャコランタン」と聞こえますよね。
もともとは大きなカブをくりぬいて作られていましたが、アメリカで広まった時にアメリカでよくとれたカボチャに変化しました。ここイギリスはイングランドでもジャコランタンはカボチャです。
しかしイングランドのお隣りのスコットランドでは今でもカブで作ったジャコランタンが使われているそうです。

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ジャック・オー・ランタン(Jack-o'-Lantern)
Image courtesy of Salvatore Vuono, published on 17 September 2009 / FreeDigitalPhotos.net

オレンジ色の大きなカボチャで作ったジャコランタンは、ハロウィンが近づくとあちこちの家で飾られます。
また、それに合わせて、墓地風のデコレーションやイルミネーションを家に飾る人もいます。
アメリカやカナダではすごいデコレーションを見かけたものです。

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ハロウィンのデコレーション
By Nandaro (Own work) [CC BY-SA 4.0], via Wikimedia Commons

ハロウィンの夜には、魔女やお化けに仮装した子供たちが近くの家を1軒ずつ訪ねて、
“Trick or treat.”(トリック・オア・トリート)
「お菓子をくれないといたずらするよ」
と唱えて、キャンディーなどのお菓子をもらいます。
子供たちはもらったお菓子を持ち寄って、ハロウィン・パーティーを開いたりします。

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トリック・オア・トリートをする子供たち
By Bart Everson (originally posted to Flickr as Trick or Treat) [CC BY 2.0], via Wikimedia Commons

この風習は、ケルト人の国であるアイルランドやケルト文化が残るスコットランドが元祖ですが、イギリスが植民地支配した英語圏の国に広がり、アメリカやカナダ、オーストラリアやニュージーランドで祝われています。特にお祭り好きなアメリカではイギリス以上に盛大に行われ、クリスマスに次ぐ一大イベントとなっています。
しかしキリスト教由来の習慣ではないので、一部の厳格なキリスト教系学校ではハロウィンを祝うことを禁じたりしているところもあるそうです。
またカトリック信者の多いフランス・イタリア・スペインや中南米などのラテン系諸国や、東方教会の影響が強いギリシャやロシア、東欧諸国などでは、ハロウィンはあまり興味を持たれず、ほぼ無視されています。
ただアメリカの影響で各国でも少しずつ広まりつつあるそうです。


【動画】“Mickey's Halloween at Disneyland(ミッキーのハロウィンパーティー - ディズニーランド)”, by Sharp Productions, YouTube, 2013/10/03

さて、日本人はアメリカ人以上にお祭り好きな民族です。こんなに面白いお祭りをほっておくわけがありません。
しかし日本ではクリスマスほどにはハロウィンは知られていませんでした。1970年に原宿のキデイランドがハロウィン関連商品の店頭販売を開始しましたが、まだまだ認知度は低いままでした。
そんな時に、スティーブン・スピルバーグ(Steven Allan Spielberg, 1946-)が監督した映画『E.T.』(1982年アメリカ)が公開されます。“E.T.”とは“the extra-terrestrial”の略、「地球外生命体」という一般名詞です。映画では主人公の少年エリオットが宇宙人であるE.T.をハロウィンの日に外に連れ出すシーンがとても印象的でした。みんな魔女やモンスターの仮想をして出歩いているので、E.T.が歩いていても目立たないのです。
この映画は空前の大ヒットとなり、多くの日本人がこの映画でハロウィンの雰囲気を具体的に知ることになります。


E.T. [Blu-ray]


【動画】“E-T the Extra Terrestrial Original Trailer 1982(『E.T.』オリジナル予告編 1982年)”, by Nineteen Eighties, YouTube, 2011/02/11


【動画】“E.T.: The Extra-Terrestrial (6/10) Movie CLIP - Halloween (1982) HD(『E.T.』より、ハロウィンのシーン(1982年)”, by Movieclips, YouTube, 2011/05/27

翌1983年、キデイランド原宿店が日本で初めてハロウィン・パレードを行います。
東急ハンズや渋谷のロフトなどでも10月にはハロウィンの仮想グッズを販売するようになり、バブル景気の頃に若者によるハロウィン・パーティーがほぼ定着。子供たちのイベントとしても、お楽しみ会のバリエーションとして行われるようになります。
東京ディズニーランドでは1997年のハロウィンの日に来場客が仮装して入園するイベント「ディズニー・ハッピーハロウィーン」が開かれます。その後、ハロウィンは徐々にディズニーランドの恒例イベントになっていきます。


東京ディズニーランド(R) ディズニー・ハロウィーン2014

そんな中、悲しい事件が起こります。
1992年10月17日、アメリカへ留学していた日本人の男子高校生が、ハロウィンパーティに出かけた時に訪問宅を間違えて別の家を訪ねてしまい、住人に拳銃で撃たれて亡くなったのです。
“Freeze!”(フリーズ)
「動くな!」
と、家の主人は拳銃をかまえて言いました。“freeze”とは「凍る」という意味です。凍ったように動くなという意味です。警官などが銃で相手を威嚇する時の決まり文句です。それでも動いた場合は攻撃の意志があるとみなされ、撃たれてしまいます。
真偽のほどはわかりませんが、“Freeze”“Please(どうぞ)”と聞き間違えたという報道もされました。しかし言葉の問題だけではなく、彼は「銃をつきつけられたら絶対に動いてはいけない」という基本的なルールを知らかったのだと僕は思います。アメリカ人なら子供でも警官ごっこやドラマ・アニメなどを通して知っている常識のようなルールですが、その高校生はそれほど深刻にとらえませんでした。
彼は微笑んで「パーティに来たんです」と説明しながら家の主人の方に歩みより、そして発砲されました。
日本でハロウィンが広く認知され始めた矢先に起きた、文化の違いが生んだ悲劇でした。
この事件をきっかけに、アメリカでも銃規制の声が高まりました。

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Image courtesy of Naypong / FreeDigitalPhotos.net

話をもとに戻します。
今や日本ではハロウィンは完全に定着しました。
子供たちにとっては、学校や子供会の恒例行事になっているところも多いです。
若者や大人にとっても、家にジャコランタンを飾ったり、仮装して飲み騒いだりパーティーをしたりすることが広まってきました。
特に2014年のハロウィンには渋谷に仮装した人が押し寄せて、機動隊まで出動する騒ぎになったみたいですね。


【動画】“Halloween in Shibuya, Tokyo 2014 - Costume Party at the Scramble & Hachiko(2014年東京・渋谷のハロウィン - スクランブル交差点とハチ公前の仮装パーティー)”, by Ice Block Films, YouTube, 2014/11/01

ここイングランドでは17世紀以降、ハロウィンは11月5日の「ボンファイヤー・ナイト(Bonfire Night)」や「ガイ・フォークス・ナイト(Guy Fawkes Night)」と呼ばれるかがり火や花火をする行事に置き換わって、アイルランドやスコットランド・ウェールズほどハロウィンが祝われていませんでした。
しかしアメリカの大流行から世界中に広まった風習が逆輸入する形で、今ではトリック・オア・トリートやカボチャのジャコランタン、仮装パーティーなどが定着しています。また、ボンファイヤー・ナイトも引き続き行われており、イングランドの初冬の風物詩となっています。
なお、家のハロウィンデコレーションはあまり見たことはありません。お店やレストランではハロウィン風のディスプレイをよく見ます。
またハロウィンの深夜の電車やバスは酔っぱらったゾンビだらけで凄いことになってしまいます。気をつけて下さい。

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イギリス・ブライトンのパブでハロウィンを楽しむ人たち
By Jeremy Keith (Flickr) [CC BY 2.0], via Wikimedia Commons

“Happy Halloween!”
楽しいハロウィンを!

すっかり日本にも根付いたハロウィン。
宗教や伝統に関係なく、クリスマスでもハロウィンでも楽しんでしまう日本人。
僕は日本人のそんないいかげんなところが大好きです。
皆さんも、どうぞよいハロウィンをお過ごしください。


【動画】“YouTube Japan Halloween Party ☽ YouTubeスペースハロウィン2014”, by Sharla in Japan, YouTube, 2014/10/31

それでは今日はこのへんで。
またお会いしましょう! ジム佐伯でした。

【関連記事】第146回:“Happy Holidays!”―「楽しい祝日を!」(アメリカの年末祝日の挨拶), ジム佐伯のEnglish Maxims, 2013年12月21日
【関連記事】第152回:“Happy New Year!”―「よいお年を!」「新年おめでとう!」(年末年始の挨拶), ジム佐伯のEnglish Maxims, 2013年12月29日

【参考】Wikipedia(日本語版英語版
【参考】“ハロウィンの由来と、日本のハロウィン事情”, by 三浦 康子さん, All About, 2009年10月01日
【参考】“日本人 留学生射殺事件、フリーズとプリーズが生んだ悲劇!”, by 雨音さん, 雨音のぶろぐ, October 12, 2013

【動画】“Mickey's Halloween at Disneyland(ミッキーのハロウィンパーティー - ディズニーランド)”, by Sharp Productions, YouTube, 2013/10/03
【動画】“E-T the Extra Terrestrial Original Trailer 1982(『E.T.』オリジナル予告編 1982年)”, by Nineteen Eighties, YouTube, 2011/02/11
【動画】“E.T.: The Extra-Terrestrial (6/10) Movie CLIP - Halloween (1982) HD(『E.T.』より、ハロウィンのシーン(1982年)”, by Movieclips, YouTube, 2011/05/27
【動画】“Halloween in Shibuya, Tokyo 2014 - Costume Party at the Scramble & Hachiko(2014年東京・渋谷のハロウィン - スクランブル交差点とハチ公前の仮装パーティー)”, by Ice Block Films, YouTube, 2014/11/01
【動画】“YouTube Japan Halloween Party ☽ YouTubeスペースハロウィン2014”, by Sharla in Japan, YouTube, 2014/10/31



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posted by ジム佐伯 at 07:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日常会話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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