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2014年02月06日

第174回:“Caramels are only a fad. Chocolate is a permanent thing.”―「キャラメルは一時の流行。チョコレートは永遠だ」(ミルトン・ハーシー)

こんにちは! ジム佐伯です。
英語の名言・格言やちょっといい言葉、日常会話でよく使う表現などをご紹介しています。

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By MissingHailstone (Own work), 1 June 2009, cropped and color corrected by Jim Saeki on 6 February 2014 [Public domain], via Wikimedia Commons

第174回の今日はこの言葉です。
“Caramels are only a fad. Chocolate is a permanent thing.”
「キャラメルは一時の流行に過ぎない。チョコレートは永遠のものだ。」
という意味です。
これはアメリカの実業家でハーシーズ・チョコレート(Hershey's)の創業者であるミルトン・S・ハーシー(Milton Snavely Hershey, 1857-1945)の言葉です。ハーシー社(The Hershey Company)はアメリカ最大手のチョコレートメーカーであると共に、アメリカで最も古いチョコレートメーカーの一つです。

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ミルトン・S・ハーシー(Milton Snavely Hershey, 1857-1945)
By Unknown (Hershey Community Archives), 1910 [Public domain], via Wikimedia Commons

ミルトン・ハーシーはペンシルバニア州ランカスター地方の近くの農村にスイス・ドイツ系移民の子孫として生まれました。小さい頃から親の農作業や行商を手伝い、学校へはあまり通うことはできませんでした。
ランカスター地方にはドイツ系移民の子孫が多く、今でも文明の利器をあまり使わず農耕や牧畜で伝統的な自給自足の生活を送っているアーミッシュ(Amish)と呼ばれる人々が暮らしています。ハリソン・フォードが主演した映画『刑事ジョン・ブック/目撃者(Witness)』(1985年アメリカ)ではアーミッシュの人たちの暮らしが登場します。
ミルトン・ハーシーの家がアーミッシュだったかどうかはわかりませんが、アーミッシュの人が話すペンシルベニアドイツ語(Pennsylvania-Dutch)を話して育ったそうです。


【動画】“WITNESS - Trailer - (1985) - HQ(『刑事ジョン・ブック 目撃者』- 予告編 - (1985年))”, by ryy79 , YouTube, 2008/12/27


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1876年、19歳の頃に菓子職人の見習いを終えたハーシーはフィラデルフィアに菓子店を開業したりニューヨークで菓子製造を行ったりしますがうまくいきませんでした。そこで1886年にランカスター地方に戻ってランカスター・キャラメル社(Lancaster Caramel Company)を設立し、地元の新鮮なミルクをたっぷり使ったキャラメルを製造して大成功をおさめます。
しかしハーシーは1900年にランカスター・キャラメル社を100万ドル(今の価値で2800万ドル、約28億円)で売却します。そしてチョコレートの製品開発に着手し、試行錯誤を始めます。
人々はなぜ成功しているキャラメル事業を手放すのかとハーシーにたずねます。
するとハーシーはこう答えたのです。

“Caramels are only a fad. Chocolate is a permanent thing.”
「キャラメルは一時の流行に過ぎない。チョコレートは永遠のものだ。」

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ハーシー社のチョコレート工場(ペンシルバニア州ハーシー, 1976年撮影)
By Antarctic96 (Own work), August 1976, cropped by Jim Saeki on 6 February 2014 [CC-BY-SA-3.0], via Wikimedia Commons

1903年にハーシーは生まれ故郷の近くに土地を購入し、キャラメル会社の売却益を元手に巨大なチョコレート工場を建設します。工場は1905年に完成し、最初のチョコレート製品である板チョコ「ハーシー・バー(Hershey bar)」を製造します。成功したキャラメルと同様に地元のミルクをたっぷりと使ったミルクチョコレートです。このチョコレートはたちまち大ヒット商品となります。

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ハーシー・バー
By Muse Bedri (Hershey's Website), 24 May 2002 [FAL], via Wikimedia Commons

1907年には小さな円錐形の「ハーシーズ・キス(Hershey's Kiss)」を発売します。いわゆる「キスチョコ」ですね。これまた大ヒット商品となり、会社も急成長します。
大量生産により品質を保ったままコストを安くおさえることで、ハーシーはヨーロッパの贅沢品だったチョコレートを一般家庭にも手が届く商品にすることに成功したのです。

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ハーシー・キス
By IvoShandor (Own work), 13 May 2008 [CC-BY-SA-3.0], via Wikimedia Commons

ハーシーは次々に新しい工場を建設し、その周囲に住宅地や教会、交通インフラを建設します。農村のど真ん中に街をひとつ作り上げたようなものです。安い土地と勤勉な労働者に恵まれ、農場の新鮮な牛乳を入手しやすく、ニューヨークやフィラデルフィアの港にも近いためカカオや砂糖の輸入や商品の出荷にも便利なこの土地は、チョコレートの製造拠点としては理想的です。
この街の名前は現在「ハーシー(Hershey)」となっています。日本の豊田市みたいですね。「ハーシータウン(Hershey Town)」とも「チョコレート・タウン(Chocolate Town)」とも呼ばれます。
また、
“The Sweetest Place on Earth”
「地上で一番甘い場所」
とも言われています。
ハーシーの街には「チョコレート通り(Chocolate Avenue)」や「ココア通り(Cocoa Avenue)」、「アーモンド通り(Almond Drive)」などがあり、街灯はキスチョコの形をしていて、街中ではココアの甘い香りがどこからともなく漂ってくるとも言われます。

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ハーシーの街にあるチョコレート通りとココア通りの看板
By Rlevse (Rlevse), 23 June 2009, cropped by Jim Saeki on 6 February 2014 [Public domain], via Wikimedia Commons

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ハーシーの街にあるキスチョコ型の街灯
By Rlevse (Rlevse) [Public domain], via Wikimedia Commons

余談ですが、ハーシーは1912年にイギリスからアメリカへ帰国する際にイギリスの豪華客船タイタニック号(RMS Titanic)に乗る予定でした。しかし仕事の都合で出港直前にキャンセルし、ドイツの豪華客船アメリカ号(America)で無事ニューヨークへ帰りました。
ハーシーは強運の持ち主でもあったのです。
ハーシーがタイタニック号を所有するホワイト・スター・ライン社(White Star Line)に支払った一等船室の保証金の小切手の控えは、現在ハーシー博物館(The Hershey Museum)に展示されています。

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出航を間近にひかえたタイタニック号(1912年4月, イギリス・サウサンプトン港にて)
By Unknown, April 1912 [Public domain], via Wikimedia Commons

“Caramels are only a fad. Chocolate is a permanent thing.”
キャラメルは一時の流行。チョコレートは永遠だ。

チョコレート市場の将来性にいち早く目をつけたハーシー。
贅沢品だったチョコレートを大量生産で庶民にも手が届く商品にしたハーシー。
ハーシーの街にはチョコレートを題材としたテーマパーク「ハーシーパーク(Hershey Park)」があり、その中の「チョコレート・ワールド(Chocolate World)」ではチョコレート工場の見学もできるそうです。
ハーシーの街はまさにアメリカにおけるチョコレートの聖地なのです。
ニューヨークから車で3時間ほどのハーシーの街。チョコレート好きの方は足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。

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チョコレート・ワールドの入り口
By Paulo Ordoveza from Washington, DC (Chocolate World Uploaded by clusternote), 10 August 2013 [CC-BY-2.0], via Wikimedia Commons


【2013年2月11日追記】
...とはいってももなかなか時間がとれないのが日本人旅行者の悲しいところ。
そんな時はニューヨークシティのタイムズスクエアにもあるハーシーの「チョコレート・ワールド」というお店を訪れてみてはいかがでしょうか。そんなに大きなお店ではありませんが、雰囲気だけでも味わってみてください。
ほかにもシカゴ、上海、ドバイ、シンガポール、カナダのナイアガラ・フォールズにハーシーズ・チョコレート・ワールドのお店があります。
僕はシカゴのお店に行ったことがあります。チョコやグッズがたっぷりあって楽しかったですよ。

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ニューヨーク・タイムズスクエアにあるハーシーズのショップ
By CPacker at en.wikipedia (Original text : Shanti Braford (Flickr profile)), 2 April 2008 [CC-BY-SA-2.0 or CC-BY-3.0], from Wikimedia Commons


それでは今日はこのへんで。
またお会いしましょう! ジム佐伯でした。

【関連記事】第173回:“Save the earth. It's the only planet with chocolate.”―「地球を守れ。チョコレートが存在するただ一つの惑星だ。」(ダイアン・カステル), ジム佐伯のEnglish Maxims, 2014年02月04日
【関連記事】第129回:“Life is like a box of chocolates.”―「人生はチョコレートの箱」(フォレスト・ガンプ), ジム佐伯のEnglish Maxims, 2013年11月21日

【参考】Wikipedia(日本語版英語版
【参考】“ロングステイ中 〜 チョコレートの街とアーミッシュ村〜”, ペンシルベニア州旅行記, by michelle, 4travel.jp, 2010/12/31
【参考】“History of HERSHEY (ハーシーの歴史)”, ハーシージャパン
【参考】“Chocoholics sour on new Hershey’s formula (ハーシーの新製法はチョコレート好きには不評)”, By Laura T. Coffey, Today.com, 19 September 2008
【参考】“Visit Hershey, Pennsylvania and HERSHEY'S CHOCOLATE WORLD Locations around the globe. (ペンシルベニア州ハーシーや世界中にあるハーシーズ・チョコレート・ワールドを訪れよう)”, The Hershey Company

【動画】“WITNESS - Trailer - (1985) - HQ(『刑事ジョン・ブック 目撃者』- 予告編 - (1985年))”, by ryy79 , YouTube, 2008/12/27



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posted by ジム佐伯 at 12:00 | Comment(0) | チョコレート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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