スポンサーリンク / Sponsored Link


2014年01月30日

第170回:“The internet is a gift of God.”―「インターネットは神からの贈り物だ」(教皇フランシスコ)

こんにちは! ジム佐伯です。
英語の名言・格言やちょっといい言葉、日常会話でよく使う表現などをご紹介しています。

0170-christmas_gift.jpg
Image courtesy of thephotoholic, published on 20 November 20122, FreeDigitalPhotos.net

第170回の今日はこの言葉です。
“The internet is a gift of God.”
「インターネットは神からの贈り物だ」
という意味です。
これはローマ教皇フランシスコ(Pope Francis, 1936-)の言葉です。
先週の水曜日(1月22日)に、高位聖職者会議が主催する“Inter Mirifica”(インター・ミリフィカ)と呼ばれる「世界広報の日(World Communications Day)」で教皇フランシスコが発表したメッセージにある言葉です。

0170-pope_francis_at_varhihna.jpg
教皇フランシスコ(Pope Francis, 1936-)
By Tânia Rêgo/ABr (Agência Brasil), 27 July 2013 [CC-BY-3.0-br (http://creativecommons.org/licenses/by/3.0/br/deed.en)], via Wikimedia Commons

教皇フランシスコは、昨年(2013年)の2月いっぱいで異例の生前退位をした第265代ローマ教皇ベネディクト16世(Benedict XVI, 1927-)の後を受け、3月のコンクラーヴェ(Conclave)で第266代のローマ教皇に選出されました。TIME誌が選ぶ2013年の“Person of the Year”にも選ばれています。
ローマ教皇は日本の報道などでは「ローマ法王」と呼ばれたりもしますが、ローマカトリック教会の最上位に立つ司教として中世から続いている存在です。日本のカトリック中央協議会は「ローマ教皇」と表記することを推奨しています。

0170-time_person_of_the_year_2013.jpg
【参考】“Pope Francis, The People’s Pope(教皇フランシスコ、人々の教皇)”, By Howard Chua-Eoan and Elizabeth Dias, TIME Person of the Year 2013, Dec. 11, 2013

教皇フランシスコの本名はホルヘ・マリオ・ベルゴリオ(Jorge Mario Bergoglio)。
1936年にアルゼンチンの首都ブエノスアイレスで生まれました。父親はイタリア系移民の鉄道職員、母親もイタリア系移民の2世でした。
小学校を出て会計事務所で働いたあと、カトリック系の修道会サレジオ会の学校を出てブエノスアイレス大学で化学を学び、修士号を取得します。その後イエズス会に入会し、司祭になるためにサン・ホセ高等学院で哲学を学び、1969年に司祭(Priest)に叙階されます。ベルゴリオが33歳の頃です。

0170-jorge_mario_bergoglio_1948_or_1949.jpg
12歳の頃のホルヘ・マリオ・ベルゴリオ(中央、サレジオ会の学校にて)
By Colegio Salesiano Don Bosco de Ramos Mejía (Anuario Colegio Don Bosco), c. December 1948, cropped by Jim Saeki on 28 January 2014 [Public domain], via Wikimedia Commons

ベルゴリオはブエノスアイレス州のサン・ミゲル神学院で修士号を取得して神学の教授となり、その指導力を高く評価されて1973年にアルゼンチンの管区長(Provincial superior)に就任します。1980年にはサン・ミゲルの神学校の主任司祭(Rector)に就任します。アイルランドのダブリンやドイツのフランクフルト、スペインにも滞在したことがあります。アルゼンチンのコルドバで聴罪司祭(Confessor)として奉職した際に仲間たちの精神的指導者(Spiritual director)となります。そして1992年に司教(Bishop)に叙階、1998年にはブエノスアイレス大司教(Metropolitan Archbishop of Buenos Aires)となります。
2001年にベルゴリオはローマ教皇ヨハネ・パウロ2世(John Paul II, 1920-2005)により枢機卿(Cardinal)に任命され、バチカンのローマ教皇庁で奉職するようになります。

0170-cardinal_jorge_bergoglio_2008.jpg
枢機卿時代のベルゴリオ
By Aibdescalzo (Own work), 14 September 2008 [GFDL or CC-BY-SA-3.0-2.5-2.0-1.0], via Wikimedia Commons

2005年にヨハネ・パウロ2世が死去した時、ベルゴリオは新教皇を選出するコンクラーヴェに選挙枢機卿の一人として参加します。ベルゴリオ自身も新教皇の有力候補の一人でしたが、最有力候補だったドイツ出身のラツィンガー枢機卿(Bishop Joseph Ratzinger, 1927-)に終始譲歩する態度を示します。さらにベルゴリオは枢機卿団に対して自分に投票しないように要請したこともあり、ベルゴリオの得票数はラツィンガーの次席となり、ラツィンガーが新教皇となり教皇ベネディクト16世(Benedict XVI, 1927-)を名乗ります。

0147-papa_benedetto.jpg
前教皇のベネディクト16世(Benedict XVI, 1927-)
By djsacche (Flickr), 7 June 2006 [CC-BY-SA-2.0], via Wikimedia Commons

2013年2月、ベネディクト16世が生前退位を表明します。新教皇を選出するコンクラーヴェが行われましたが、ベルゴリオ枢機卿は76歳と高齢だったこともあり、周囲からは有力候補とは見られていませんでした。しかし投票の結果は枢機卿全体の3分の2を大きく上回る多数の得票でベルゴリオが新教皇に選出されます。ベルゴリオは清貧と平和の使徒だった中世イタリアの聖人、アッシジの聖フランチェスコの名にちなみ、教皇フランシスコを名乗ります。初めてのアメリカ大陸出身の教皇であり、初めてのイエズス会出身の教皇です。

0170-pope_francis_inauguration.jpg
教皇着座式(Papal inauguration of Pope Francis)でのフランシスコ
バチカンのサン・ピエトロ広場にて(2013年3月19日)
By Fczarnowski (Own work), 19 March 2013, cropped by Jim Saeki on 28 January 2014 [CC-BY-SA-3.0], via Wikimedia Commons

フランシスコは飾らない気さくな人柄で知られます。枢機卿だった頃も宮殿のような司教館ではなく小さなアパートに住み、お抱えのリムジンを使うことを断ってバスや地下鉄といった公共交通機関を使っていました。教皇になった時もブエノスアイレスの新聞販売店の店主ダニエル・デル・レグノに直接電話をかけ、
「ダニエルさん、枢機卿のホルヘです。いまローマです。いつも宅配ありがとうございます。」
と話して、ローマに滞在することになったから新聞の宅配を止めて欲しいと依頼したそうです。
また、前教皇のベネディクト16世が厳格な態度と博識を駆使した重厚な雰囲気の説教をしていたのに対し、新教皇フランシスコは、親しみやすい雰囲気の中で分かりやすい言葉づかいで説教をするのだそうです。

0170-pope_francis_with_cristina_fernandez_de_kirchner.jpg
アルゼンチンのクリスティーナ・フェルナンデス・デ・キルチネル大統領(Cristina Fernández de Kirchner, 19 February 1953)と (教皇着座式にて)
presidencia.gov.ar, 19 March 2013 [CC-BY-SA-2.0], via Wikimedia Commons

「世界広報の日」に発表したメッセージもとてもわかりやすく書かれています。

“Today we are living in a world which is growing ever ‘smaller’ and where,
 as a result, it would seem to be easier for all of us to be neighbours.”

「現在わたしたちは『せまく』なりつつある世界に暮らしています。
 その結果、あらゆる人と簡単に隣人になることができるように思われます。」

とメッセージは始まります。

“The internet, in particular, offers immense possibilities for encounter and solidarity.
 This is something truly good, a gift from God.”

「特にインターネットは人の出会いと結びつきのために果てしない可能性を提供しています。
 これは本当に素晴らしいことです。神からの贈り物です。」

ツイッターを始めた前教皇のベネディクト16世もそうでしたが、現教皇のフランシスコもネット文化には肯定的なようです。しかし、

“The desire for digital connectivity can have the effect of isolating us from our neighbours, from those closest to us.”
「デジタルなつながりへの欲求の影響で、最も近い隣人たちから孤立してしまうおそれもあります。」

と、全面的によいことばかりではないことにも言及しています。利益と危険性の両方を認識して「果てしない可能性」を活用すべきだということです。

0170-pope_francis_among_the_people.jpg
サン・ピエトロ広場で人々に囲まれる教皇フランシスコ
By Edgar Jiménez from Porto, Portugal (Papa rock star), 12 May 2013, cropped by Jim Saeki on 28 January 2014 [CC-BY-SA-2.0], via Wikimedia Commons

“The internet is a gift of God.”
インターネットは神からの贈り物だ。

気さくで飾らない人柄な魅力の教皇フランシスコ。
その教皇みずからがその便利さと可能性に太鼓判を押したインターネット。
これはもう間接的に「神が認めた」と言っても過言ではありません。
僕たちもそのメリットとリスクを十分に理解した上で利用していきたいものですね。

0170-woman_using_smart_phone.jpg
Image courtesy of patrisyu, published on 25 January 2014, FreeDigitalPhotos.net

それでは今日はこのへんで。
またお会いしましょう! ジム佐伯でした。

【関連記事】第147回:“Christmas is a time of great joy and an occasion for deep reflection.”―「クリスマスはとても楽しいが、同時に深く内省すべき時でもある。」(ベネディクト16世), ジム佐伯のEnglish Maxims, 2013年12月22日

【参考】Wikipedia(日本語版英語版
【参考】“Pope Francis, The People’s Pope(教皇フランシスコ、人々の教皇)”, By Howard Chua-Eoan and Elizabeth Dias, TIME Person of the Year 2013, Dec. 11, 2013
【参考】“‘Communication at the Service of an Authentic Culture of Encounter’ - Pope's Message for World Communications Day (「本物の出会いの文化を犠牲にしたコミュニケーション」―世界広報の日に寄せた教皇のメッセージ)”, FRANCISCUS, NEWS.VA - Official Vatican Network, 22 January
2014
【参考】“ローマ教皇が「インターネットは神からの贈り物である」と発言”, Gigazine, 2014年01月24日

このエントリーをはてなブックマークに追加
posted by ジム佐伯 at 12:00 | Comment(0) | 宗教 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

スポンサーリンク / Sponsored Link

ブログパーツ