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2013年08月31日

第83回:“Why not?”―「あたりまえでしょ?」(レディー・ガガ)

(本文3633文字、読み終わるまでの目安:9分05秒)


こんにちは! ジム佐伯です。
英語の名言・格言やちょっといい言葉、日常生活でよく使う表現などをご紹介しています。

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By Lady GaGa.jpg: Daniel Åhs Karlsson derivative work: Legolas2186 (Lady GaGa.jpg), 15 September 2008 [CC-BY-3.0 (http://creativecommons.org/licenses/by/3.0)], via Wikimedia Commons

第83回の今日はこの言葉です。
“Why not?”
「どうしていけないの?」
「あたりまえでしょ?」
「もちろんよ。」

などという意味です。
日常会話でよく使われる、何のへんてつもない言葉です。
誰の言葉なのでしょうか。

これは、アメリカの歌手レディー・ガガ(Lady Gaga, 本名:ステファニー・ジョアンヌ・アンジェリーナ・ジャーマノッタ, Stefani Joanne Angelina Germanotta, 1986-)の言葉です。
2013年6月に来日したとき、レディー・ガガはこの言葉を口にしています。
そう、あの東日本大震災があった2013年です。

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レディー・ガガ(Lady Gaga, 1986-)
By Yne Van De Mergel (Flickr), 29 September 2012, cropped by Jim Saeki on 29 August 2013 [CC-BY-2.0 (http://creativecommons.org/licenses/by/2.0)], via Wikimedia Commons

あの大地震が起きた3月11日、レディー・ガガはツイッター(Twitter)に次のようにツイート(tweet, 投稿)します。
“I Designed a Japan Prayer Bracelet. Buy It/Donate here and ALL proceeds will go to Tsunami Relief Efforts. Go Monsters:”
「日本のために祈るブレスレットをデザインしました。買ってください。寄付してください。収益はすべて津波の救援活動に使われます。モンスターたち、行きなさい。」

リストバンドには白地に赤い文字で、英語の“WE PRAY FOR JAPAN”と日本語の「日本の為に祈りを。」が書かれています。
レディー・ガガの決めポーズの一つでもある「モンスターの爪(Monster Claw, 爪をたててひっかくような手の形)」も描かれています。

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“Lady Gaga Designs Japanese Tsunami Relief Wristband(レディー・ガガが日本の津波救援活動のリストバンドをデザイン)”, By Jocelyn Vena, MTV News, Mar 11 2011

レディー・ガガはファンたちを「リトル・モンスターズ(Little Monsters)」と呼んでおり、ファン専用のソーシャルサイトのサイト名にもなっています。
レディー・ガガはファンたちに、
“Go Monsters:”
「モンスターたち、行きなさい。」
と、日本への支援を呼びかけたのです。
大地震がおきた3月11日の当日のうちに、そこまでしたのです。
時差があるとはいえ、実に素早い対応です。

このツイートは有名人や一般人たちに次々にリツイートされたりシェアされたりして、またたく間に世界中に広がりました。
そして4日後の3月15日、レディー・ガガはこうツイートしています。

“Monsters: in just 48 hrs you’ve raised a quarter of a million dollars for Japan Relief. RT: http://bit.ly/f0aYwZ. It’s Monsters: in just 48 hrs. X”
「モンスターたちへ:わずか48時間で日本救援活動のための25万ドル(約2000万円)が集まりました。(中略)私たちの支援が大切なのです。」


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By Eva Rinaldi from Sydney, Australia, 12 July 2011, cropped by Jim Saeki on 30 August 2013 (Lady Gaga Uploaded by tm) [CC-BY-SA-2.0 (http://creativecommons.org/licenses/by-sa/2.0)], via Wikimedia Commons

ここでは48時間で約2000万円と書かれていますが、その後2週間でリストバンドは1億2000万円以上を売り上げます。
最終的に収益は200万ドル(1億6000万円)以上にのぼり、全額が寄付されたそうです。
しかもレディ・ガガ自身も個人で150万ドル(1億2000万円)寄付したとのことで、寄付総額は3億円近くにのぼります。

欧米には、集まった寄付や工面した自己資金と同額を基金や国が援助して金額を倍増するという「マッチング・ファンド(Matching fund)」という仕組みがあります。
レディ・ガガもおそらくマッチングファンド方式で、リストバンドの収益と同額を寄付して援助額を倍増させたのだと思います。
善意は金額の大小では量れないのですが、この援助額は海外の著名人としてはダントツに多い金額です。

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“レディー・ガガ、個人として150万ドルを寄付!”, Lady Gaga Japan, 2011年4月5日

また、地震の2週間後に世界的トップアーティスト38組のヒット曲を集めたチャリティーアルバム『SONGS FOR JAPAN』が世界20ヶ国でアイチューンズ・ストア(iTunes Store)から発売されます。
発売翌々日の3月27日には、アメリカやフランスなど世界18ヶ国で売上1位を飾ります。
このアルバムにも、U2やエルトン・ジョン(Sir Elton Hercules John, CBE, 1947-)、クイーン(Queen)、マドンナ(Madonna, 1958-)らと共に、レディー・ガガが曲を提供しています。


SONGS FOR JAPAN

さらにレディー・ガガは、3月25日に日本にビデオメッセージを送ります。
メッセージにはたどたどしい日本語で、
「アイシテイマス。ミンナノタメニ、イノッテイマス。」
という言葉もありました。


【動画】“レディ・ガガ lady gaga 日本(東日本大震災)にメッセージ 3/25”, by green wobel, YouTube, 2011/03/25

そして6月25日、幕張メッセで開催されるチャリティー・コンサート“MTV VIDEO MUSIC AID JAPAN(VMAJ)”にレディー・ガガは出演します。
海外アーティストが次々に来日公演をキャンセルする中での来日です。
コンサートに先立ち、レディー・ガガは緊急記者会見を開きます。

彼女は日本に来れてうれしいこと、震災のニュースを見てとてもショックで悲しかったこと、自分ができるのはすばやく行動を起こすことだと思って日本救援のリストバンドを作ったこと、日本復興のためには海外からの観光客が増えることが大切だと思ったこと、日本は今や安全であるから外国の人は安心して日本を訪れてもいいことなどを語ります。


【動画】“Lady Gaga boosts Japanese tourism (レディー・ガガが日本観光を応援)”, by Breaking News Channel, YouTube, 2011/06/24

ちょっと長いですが彼女の言葉を一文だけ引用します。
“I would like to use my position here today
 and all week long to run around Tokyo enjoy the beautiful city
 and kiss all the beautiful little monsters
 and scream at the top of my lungs
 that everyone should come visit this beautiful place.”

「私は今のこの自分の立場を利用したいの。
 この1週間ずっと東京中を走り回って美しい街を楽しんで、
 (ファンである)美しいリトル・モンスターたち全員にキスをして、
 声を限りに叫びたいわ。
 皆がこの美しい地を訪問すべきだと。」

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“レディー・ガガが緊急来日会見 | MTV VIDEO MUSIC AID JAPAN”, MTV NEWS, 2011/06/23

このチャリティー・コンサートは大成功でした。
日本からは安室奈美恵、EXILEなどが、韓国からは少女時代やSHINee(シャイニー)などが出演し、AKB48がMCをつとめました。

コンサート終了後、レディ・ガガは再び会見を開きます。
そこで、ある記者がこう訊ねます。
「日本を愛し、復興支援までしてくれるのはなぜですか?」
するとレディ・ガガは微笑みを浮かべてこう一言答えたそうです。
“Why not?”
「あたりまえでしょ?」

【参考】“「Why not?」レディー・ガガにしびれた”, [新聞にかけなかったウラ名言集], msn産経ニュース, 2011.7.3


【動画】“Lady Gaga - Applause (Official)(レディー・ガガ - アプローズ)”, by LadyGagaVEVO, YouTube, 2013/08/19

レディー・ガガはほかにも数々の名言を残しています。
「名言集」の本が出ているぐらいです。

“Love yourself, because it's you.”
「自分を愛して。だってそれがあなただから。」

“You have to be unique, and different,
 and shine in your own way.”

「あなたはユニークでなければいけない。人と違ってもいい。
 あなたの進む道で輝いていなければいけない。」

“When I was in highschool, all my girl friends wanted to get jobs here.
 And I wanted to be what they were searching for or putting on the side column, what comes up first.”

「高校にいた時、友達の女の子たちは皆Googleで働きたいと言っていた。
 けど、私はそこで検索されたり、サイドコラムに掲載されたり、検索結果にトップに出たりするようになりたかった。」

“I'm a little bit naked, but that's okay.”
「私は少しばかり裸だけど、構わないわ。」

“Never be afraid to dream.”
「夢見ることを決して恐れないで。」


などなど...。

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By teyuh (flickr) , 20 June 2009, cropped by Jim Saeki on 31 August [CC-BY-2.0 (http://creativecommons.org/licenses/by/2.0)], via Wikimedia Commons

しかし、僕は敢えてこの何のへんてつもない日常会話を今日の言葉に選びました。
なぜなら彼女の素晴らしい行動が背景にある言葉だから。
彼女の愛がこもった言葉だから。

欧米では、日本は裕福な先進国だから救援活動など必要ないという声もあがりました。
しかしレディー・ガガは何のためらいもなく、地震の当日から支援活動を始めてくれました。
なぜなら日本が大好きだからだそうです。
あたりまえなのだそうです。
涙が出るほど嬉しいではありませんか。

【参考】“Don’t donate money to Japan(日本にお金を寄付するな)”, By Felix Salmon, REUTERS Opinion, MARCH 14, 2011
【参考】“豊かなニッポンに支援は不要か”, 大橋希, 佐伯直美, Newsweek日本版, 2011年6月9日

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By loveyousave (Flickr), 18 September 2010, cropped by Jim Saeki on 29 August 2013 [CC-BY-SA-2.0 (http://creativecommons.org/licenses/by-sa/2.0)], via Wikimedia Commons

“Why not?”
あたりまえでしょ?

いえいえ普通にできることではありません。
あの不安だった日々、あなたの温かい言葉とすばやい行動にはどれほど救われたことか。
ありがとうレディ・ガガ。
ありがとうリトル・モンスターズたち。
そして日本救援に協力してくれたすべての人に、ありがとう。

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By Eludyxo (you and i), 10 July 2011 [CC-BY-SA-2.0 (http://creativecommons.org/licenses/by-sa/2.0)], via Wikimedia Commons

それでは今日はこのへんで。
またお会いしましょう! ジム佐伯でした。

【関連記事】第26回:“A friend in need is a friend indeed.”―「まさかの時の友こそ真の友」(ことわざ), ジム佐伯のEnglish Maxims, 2013年05月23日

【参考】Wikipedia(日本語版英語版
【参考】“Lady Gaga Designs Japanese Tsunami Relief Wristband(レディー・ガガが日本の津波救援活動のリストバンドをデザイン)”, By Jocelyn Vena, MTV News, Mar 11 2011
【参考】“How Lady Gaga Raised $250,000 for Japan Thanks to Twitter(レディー・ガガはツイッターをどう使って日本のために25万ドルを集めたか)”, Mark Pasetsky, Forbs, 3/15/2011
【参考】“レディー・ガガ、個人として150万ドルを寄付!”, Lady Gaga Japan, 2011年4月5日
【参考】“世界のiTunes Store のトップは日の丸だらけに 全世界18か国で1位 「SONGS FOR JAPAN」”, シネマトゥデイ, 2011年3月27日
【参考】“レディー・ガガが緊急来日会見 | MTV VIDEO MUSIC AID JAPAN”, MTV NEWS, 2011/06/23
【参考】“「Why not?」レディー・ガガにしびれた”, [新聞にかけなかったウラ名言集], msn産経ニュース, 2011.7.3
【参考】“Don’t donate money to Japan(日本にお金を寄付するな)”, By Felix Salmon, REUTERS Opinion, MARCH 14, 2011
【参考】“豊かなニッポンに支援は不要か”, 大橋希, 佐伯直美, Newsweek日本版, 2011年6月9日

【動画】“レディ・ガガ lady gaga 日本(東日本大震災)にメッセージ 3/25”, by green wobel, YouTube, 2011/03/25
【動画】“Lady Gaga boosts Japanese tourism (レディー・ガガが日本観光を応援)”, by Breaking News Channel, YouTube, 2011/06/24
【動画】“Lady Gaga - Applause (Official)(レディー・ガガ - アプローズ)”, by LadyGagaVEVO, YouTube, 2013/08/19

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