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2013年06月23日

第44回:“All roads lead to Rome.”―「すべての道はローマに通ず」(ことわざ、ラ・フォンティーヌほか)

(本文1947文字、読み終わるまでの目安:4分52秒)


こんにちは! ジム佐伯です。
英語の名言・格言やちょっといい言葉をご紹介しています。

0044-road_to_rome.jpg
Image Copyright by zuchero, Used under license from Links Co., Ltd.

第44回の今日はこの言葉です。
今日もまたまたローマに関することわざです。
“All roads lead to Rome.”
「すべての道はローマに通ず。」

文字通りの意味ですね。ただ解釈によっては二通りの意味がありそうです。
一つめは、ローマに注目したもの。まさにローマが世界の中心だという意味。ローマの凄さを称えています。
二つ目は、道に注目したもの。とにかくも道をたどればローマへ行ける。世界中にはりめぐらされた道の凄さを称えています。また、どの道を通ってもローマへ行けることから、目的を達するためにはいろんな方法があるという意味にも使われます。

0044-downtown_highway.jpg
By Vichaya Kiatying-Angsulee, published on 17 June 2013, FreeDigitalPhotos.net

帝政ローマでは道路政策が非常に重要視され、ローマを中心に道路網がはりめぐらされました。
当時の道路は人が踏み固めた「けもの道」のようなものでしたが、ローマはできるだけ直線の、火山岩の敷石できれいに舗装した2車線幅の街道を完備しました。ほかの道と比べたら高速道路のようなものです。
なぜそんな立派な道路が必要だったのでしょうか。それは、何かあったときにすぐに軍隊を派遣できるようにするためです。兵隊が通るだけでなく、戦車(馬車)の移動や補給物資の輸送など、この道路が重要な軍事インフラだったのです。
ローマからは29の主要なローマ街道が放射状に延び、ローマ帝国の支配地域には372の幹線道路が整備されました。石で舗装されたものだけで総延長は8万キロ、砂利などの簡易舗装も含めるとなんと40万キロになります。地球一周が4万キロですから、その凄さがよくわかりますね。

0044-via_appia.jpg
ローマとブリンディシ(Brindisi)を結ぶアッピア街道(Via Appia, 英語で Appian Way)
By Radosław Botev (Own work), January 2006 [Attribution], via Wikimedia Commons

“Omnes viae Romam ducunt.”
(オムネス・ウィアエ・ローマン・ドゥークーント)
というラテン語がもとになっていると言われていますが、はっきりとした出典は確認されていません。
実はこの言葉も古代ローマではなく、中世以後にできたことわざらしいのです。
もし中世以降にできたことわざだとしたら、意味合いは少し違ってきます。

北鎌フランス語講座 - ことわざ編(http://proverbes.kitakama-france.com/)によると、最も古い文献で確認されているのは12世紀のフランスの神学者で詩人でもあるアラン・ド・リール(Alain de Lille, 1116-1202)の『箴言の書(Liber parabolarum)』というラテン語で書かれた詩だそうです。

“Mille vie ducunt homines per secula Romam,
 Qui Dominum toto querere corde volunt.”

(ミーレ・ウィーエ・ドゥクント・オミネス・ペル・セクーラ・ローマン、
 クイ・ドーミヌム・トート・クェレエレ・コールデ・ウォールント)
「いにしえより千もの道がローマへと導いている。
 心の底から神を探そうと願う人々を。」

この詩のイメージでは、
「偉大なる世界帝国ローマ」
ではなく、
「キリスト教世界の中心であるローマ」
という意味合いが強いということになります。

「軍事インフラのローマ街道」
ではなく、
「道なき道をたどる聖地ローマへの巡礼の道」
ということなのです。

0044-st_paul_statue.jpg
St. Paul's statue which stands outside St. Peter's Basillica in his eponymous piazza.
By Phil Moore from Sheffield, United Kingdom (Flickr), 17 February 2005 [CC-BY-2.0], via Wikimedia Commons


17世紀のフランスの詩人ラ・フォンティーヌ(Jean de la Fontaine, 1621-1695)が書いた『寓話(Fables)』(1668-1693)では、『裁判官と修道士と隠者(Le Juge Arbitre, l'Hospitalier, et le Solitaire)』という話にそのものズバリのフランス語の言葉が出ています。

“Tous chemins vont à Rome.”
(トゥ・シュマン・ヴォン・タ・ローム)
英語で
“All roads lead to Rome.”
です。
「三者三様、手段は違うけれども魂の救済という同じ目的のために努力していた」
ということに関連した格言として出てきているそうです。
北鎌フランス語講座 - ことわざ編より)

格言らしく、意味が一般化されていますね。
最初にご紹介した二つの意味でいうと、「ローマ」というよりも「道」に注目した二つめの意味にある、
「ある目標へは、色々な方法で到達することができる。」
ということをあらわしています。

0043-la_fontaine.jpg
ラ・フォンティーヌ(Jean de la Fontaine, 1621-1695)
Portrait of Jean de la Fontaine by Hyacinthe Rigaud, Carnavalet Museum, [Public domain], via Wikimedia Commons

いつもの通り、僕は細かいことは気にしません。
帝国ローマでも聖地ローマでもいいです。
ローマの偉大さをたたえても、目標へ到達する方法の多様さに言及しても、構わないと思います。
いずれにしても素晴らしいことわざであることは間違いないのですから。

“All roads lead to Rome.”
すべての道はローマに通ず。

いかにも世界史の中心だったローマらしいことわざですよね。

0044-colosseum_rome .jpg
By Vichaya Kiatying-Angsulee, published on 13 February 2013, FreeDigitalPhotos.net

それでは今日はこのへんで。
またお会いしましょう! ジム佐伯でした。

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【参考】Wikipedia
【参考】北鎌フランス語講座 - ことわざ編



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posted by ジム佐伯 at 07:00 | Comment(0) | ことわざ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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