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2013年05月16日

第22回:“Where there's a will, there's a way.”―「意志あるところに道は開ける」(ことわざ、リンカーンほか)

(本文1815文字、読み終わるまでの目安:4分32秒)


こんにちは! ジム佐伯です。
英語の名言・格言やちょっといい言葉をご紹介しています。

0022-road.jpg
Image courtesy of dan / FreeDigitalPhotos.net

第22回の今日はこの言葉をご紹介します。
“Where there's a will, there's a way.”
「意志あるところに道あり。」
「意志あるところに道はある。」
「意志があるところには道は開ける。」

という意味です。

とても有名な言葉ですよね。シンプルですが、人生の本質を突いています。難しい単語もなく、文法も簡単なので、中学校で習われた方も多いのではないでしょうか。

誰が最初に口にしたかわからないほど古くから言われてきた言葉だそうです。
ことわざの多くはそのようなものですが。

第16代アメリカ合衆国大統領で南北戦争を戦い、「奴隷解放の父」と呼ばれたリンカーン(Abraham Lincoln, 1809-1865)の言葉だという説もあります。しかし彼は単に古くからのことわざを引用しただけではないかなあと思います。

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リンカーン(Abraham Lincoln, 1809-1865)
Alexander Gardner [Public domain], via Wikimedia Commons


【追記】(2013年6月22日)

これ、さらに調べてみました。確かにリンカーンもこの言葉を使っています。

1862年9月に有名な『奴隷解放宣言(Emancipation Proclamation)』を発表したリンカーンは、翌年これまた有名なゲティスバーグ演説(The Gettysburg Address, 1863)で
“Government of the people, by the people, for the people”
「人民の人民による人民のための政治」
を強調し、人種差別のない世界を目指しました。

しかし、彼は解放された奴隷がアメリカ国内で白人と共存することに対しては懐疑的で、人種問題を解決するためには解放奴隷を国外へ移住させることが最善の方法と考えていました。
奴隷解放宣言の5年前、1857年6月のイリノイ州スプリングフィールドでの演説で、リンカーンは開放奴隷の国外移住について次のように語っています。

“The enterprise is a difficult one;
 but 'where there is a will there is a way,'
 and what colonization needs most is a hearty will.”

「この計画は難しいものではありますが、
 『意志あるところに道は開ける』という言葉のとおり、
 植民(=解放奴隷の国外移住)がもっとも必要としているのは強い意志であります。」

やはりことわざを引用していたというのが真相のようですね。
ただ、英米でこの言葉が文献に登場し始めたのが19世紀ですから、英語圏では比較的新しいことわざだったのかもしれません。




【追記】(2013年7月28日)
リンカーンの言葉に関する記事を登録しました。
第64回:“All persons held as slaves shall be free.”―「奴隷はすべて自由とする」(リンカーン)(2013年07月28日)



中国にも同じような言葉があります。
「有志者事竟成也」
(ヨウーチャーシーンチャンイェー)
漢文訓読的には
「志ある者は事ついに成るなり」
と読み下します。
意味はほとんど同じです。
宋の時代、元嘉9年(432年)に出された「後漢書(ごかんじょ)」という歴史書の中にある言葉です。後漢の初代皇帝となった光武帝(6 BC - 57 AD)が、敵を平定した配下の将軍を褒め称えた言葉とされています。
現代の中国でも、日常的によく使われる言葉だそうです。

0022-liu_xiu.jpg
光武帝(Emperor Guangwu of Han, 6 BC - 57 AD)
By Yan Li-pen [Public domain], via Wikimedia Commons

日本語では、次のような言葉があります。
「精神一到何ごとか成らざらん」
「為せば成るなさねばならぬ何事も成らぬは人の為さぬなりけり」
うーん、ちょっとニュアンスが違うかもしれませんが、意志の大事さという意味では共通点がありますね。

そういえば、女子プロゴルファーの宮里藍さん(Ai Miyazato, 1985-)の座右の銘もこの言葉なのだそうです。
彼女の公式ブログに「意志あるところに道はある」と書かれています。
さすがですね。あそこまで素晴らしい実績を上げられるのは、とても強い意志を持たれているのでしょうね。
今後もぜひ頑張って道を開いていって頂きたいものです。

0022-ai_miyazato.jpg
宮里藍(Ai Miyazato, 1985-)
By Wojciech Migda (Wmigda) (Own work) [CC-BY-SA-3.0 or GFDL], via Wikimedia Commons


【追記】(2016年2月2日)
この言葉、このブログでも圧倒的なアクセス数。やはり、いい言葉ですね。
新垣結衣と綾野剛が共演したドラマ『空飛ぶ広報室』(2013年)にも登場しました。
有村架純主演の『映画 ビリギャル』(2015年日本)にも登場しましたね。もともと原作のノンフィクションでも使われていました。本とBlu-rayを最近ようやく入手したので今ごろわかりました。


【動画】“学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話 PV”, by KADOKAWAオフィシャルチャンネル, YouTube, 2014/04/03


【動画】“映画「ビリギャル」予告”, by 東宝MOVIEチャンネル , YouTube, 2015/03/13



“Where there's a will, there's a way.”
意志あるところに道は開ける。

洋の東西を問わず、古くから現在まで、この言葉の真実は広く認識されているのですね。
わかってはいても、実行するのはなかなか難しいんですけどね。

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Image courtesy of dan / FreeDigitalPhotos.net

それでは今日はこのへんで。
またお会いしましょう! ジム佐伯でした。

【関連記事】第64回:“All persons held as slaves shall be free.”―「奴隷はすべて自由とする」(リンカーン), ジム佐伯のEnglish Maxims, 2013年07月28日

【参考】Wikipedia
【参考】Abraham Lincoln, The Writings of Abraham Lincoln V02
【参考】リンカーンの黒人植民構想とハイチ承認, 浜忠雄, 北海学園大学人文論集(53): 217-248 (2012-11-30)
【参考】宮里藍オフィシャルブログPowered by Ameba

【動画】“学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話 PV”, by KADOKAWAオフィシャルチャンネル, YouTube, 2014/04/03
【動画】“映画「ビリギャル」予告”, by 東宝MOVIEチャンネル , YouTube, 2015/03/13

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posted by ジム佐伯 at 12:00 | Comment(0) | ことわざ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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